コナン・ドイルの同名小説の映画化で、監督はハリー・O・ホイト。1925年、米ファースト・ナショナル社の作品。ロンドンの大学で恐竜生存説を唱えるチャレンジャー教授(ウオーレス・ビアリー)は、南米アマゾン奥地で消息を絶った男の情報を頼りに探検隊を組む。独占記事を狙う新聞記者の青年エド(ロイド・ヒュウズ)、探検家ロクストン卿(ルイス・ストーン)、消息を絶った男の娘ポーラ(ベッシー・ラヴ)など一行はようやく目的の地と思われる断崖絶壁に分かたれた深い谷に到着する。さて、この谷を渡った先で遭遇したものはお目当てとはいえ、想像以上に激しい古代の恐竜たちの弱肉強食の世界だった・・・
人間ドラマとしては新聞記者、娘、探検家の三角関係が描かれているが、主役はなんといっても恐竜たちで、恐竜の対決、一行に恐竜が接近してあわやという場面などの見せ場が中心となっている。
この恐竜たちの特撮を監督したのはウィリス・H・オブライエンで、線画の恐竜を見て衝撃を受け、数年かけて”ワン・ストップ・モーション”技法を開発し、本作品でその成果を発表したのである。
今見れば何のことはないけれども当時の人はびっくり仰天、大変な騒ぎだったそうだ。(まだアマゾンが未踏の地だった頃のお話しである)オブライエンは本作品をさらに発展させた有名な「キング・コング」(1933)を制作、以後このジャンルに続く作品に決定的な影響を与えた。