1996年9月4・5日ロス・エンジェルスのマッド・ハンター・スタジオで録音。『The Art Of Trio』の記念すべき第一作。プロデューサーは当然マット・ピアソン(●^o^●)。 まず選曲が素晴らしい。その上曲順が素晴らしい。オスカー・レバントのロマンチックなラブ・ソング『Blame It On My Youth』でスタート。1951年の『巴里のアメリカ人』の中でグランド・ピアノをいつも練習していた彼の曲です。もうこの曲が終わったあたりでこのトリオの生み出す強力な催眠力に気がつき始めるがもう遅い。どっぷりとその光り輝くダークな音の虜になっている自分に気がつきます。3.5.6.8がメルドーのオリジナル。4がビートルズの『Blackbird』。『Blackbird』をその昔ギターで練習した僕にはこのカバーの編曲がとても響きました。ギターでもポールのベーシストとしての色彩がよく出ていて5弦・6弦をダイナミックにスライドし、オクターブ奏法的に弾くこの曲をベースとピアノがよく表しています。 先達のスタンダードとオリジナル、そして誰も手を付けていないロックの名曲のスタンダード的な解釈。その知的な表現力と催眠力。メルドーの凄さと何を彼はやりたいのかが理解できる傑作だ。僕が一番好きなのはメルドーのオリジナルの6『Mignon's Song』。