1966年リリースの第二作で、ポール・バターフィールドの最高傑作の呼び名の高い名作。TRACK1「WALKING BLUES」は名演であるが、ヴォーカルがやや気負いすぎか。本家のブラックミュージシャンたちはこんなに力を入れては歌わない。ロバート・ジョンソンのオリジナル演奏を聴けばよく分かる。とはいえ、この時期にさまざまな白人のロックバンドがジョンソンの曲をカヴァーしているが、ストーンズの「LOVE IN VAIN」の次に良い。他のR&B曲も平均点以上の優良演奏である。
しかし本作の最もユニークな点はR&Bとは無縁のインスト曲が2曲入っていること。TRACK5「WORK SONG」はジャズトランペット奏者のナット・アダレイの有名曲。まあ、これはいい。無難な演奏だし、ファンキーな曲調がアルバムにフィットしている。問題はラストの「EAST-WEST」である。作曲者はマイク・ブルームフィールド。この曲のインド風のテイストと、13分余りの異常な長さは明らかにアルバムの統一感をブチ壊しているものの、とんでもない名演である。ビショップのソロも良いが、やはりブルームフィールドのソロはロック史上に残る名ソロである。ちなみにこの二人のソロのフィーリングはオールマンブラザーズの名盤「EAT A PEACH」の「MOUNTAIN JAM」でのオールマンとディッキー・ベッツのソロにしっかりと受け継がれている。ギター小僧のみなさん、これって目からウロコでしょう(笑)。さあ、みなさん聴き比べてみよう!