94年、サードアルバム。
恋人、マリーの前で殺された兵士ジャガーが、恋人の魂を見てしまったために、
魂だけが50年後にタイムスリップして 恋人を探す、コンセプトアルバム。
前作、未公開のエクスペリエンスムービーとも関連していて、
収録曲のシルクスカーフに帽子のマダムにもギターを弾くジャガーが出てきます。
次作のsmileにはマリーに口づけ、という曲も。
今更のレビューですが、怖いぐらいでしたが、
ライブで聞いた薔薇娼婦麗奈が良かったので。
内容は濃厚で、吉井さんのソロ作品にも時々出てくるテーマですが、
夜を売り買いするような中での歌が多いです。
子供に聞かせるような歌ではなく、万人受けするような作品でもないですが、
アルバムとしてはよくできたアルバムです。
個人的には珍しく一致した、好きでおすすめはシングル悲しきASIAN BOY。
バンドも曲名も知らなったのですが、ラジオなどで一番最初に聞いたイエモンの曲で。
好きなのはROCK STAR、
RED LIGHTはイントロのボーカルが作品としてはいい。
濃い曲が並んだ中、セルリアの丘、街の灯もいいですね。
過去に置いて来てしまったマリーを探し、さまよい流れて行くジャガー。
もう痛くない、幻のような君の中で眠ろうと歌う遥かな世界。
天国なんてない、この世に背を向けようといいながら、
魂同士が出会えたせいか、言葉とは裏腹に空や雪に消えていくような
MERRY X'MASでアルバムは終わっています。
イエモンいいよと言われて、ずいぶん経ってから聞き、
吉井さんのソロにハマり、イエモンファンとしては一年目みたいなもので、
全てのアルバムをきちんと聞けていないのですが、
8枚あるオリジナルアルバムの中では、一番イエモンらしいかも。
吉井さんのソロのライブで、イエモンって、良かったんだなーと改めて思ったのが、
唸るような声がいい、FINE FINE FINE(BLUE APPLES収録)でしたし。
誰が聞いてもいいのはJAMだと思いますが、
コンセプトアルバムや濃厚な作品が大丈夫で興味がある方は、聞いてみてください。
2016年10月追記
逆らえない運命の『花』は、吉井さんのソロのWHITE ROOM収録の
NATURALLYにも出てきます。
興味がある方は、そちらも聞いてみてください。