HONZI…本地陽子という人だそうです。UAのライブや後期フィッシュマンズのサポートメンバーとして印象的なバイオリンを聴かせる人、という認識でしたが実はソロ作品も出している才能溢れる人だったんですね。
ミュージシャンズ、ミュージシャンでもあり数々のセッションにひっぱりダコだったようですが、2007年に惜しくも逝去されました。
この人と一緒に音を出したい…ミュージシャン誰もをそんな気分にさせてしまうマジックをもたらしてくれる期待感がありました。
本作「TWO」は2000年にリリースされた、HONZIのソロ・2作目となるものです。
全11曲…♪M-5”みんな夢の中”は浜口庫之助の曲、♪M-9”いい言葉ちょうだい”はフィッシュマンズのカバー ですが、それ以外はほぼ全曲で作曲作詞を手掛けています。
「空と土と自然の木、色で言ったら茶色と水色と緑、気持ちがすごく浄化されて、リラックスできる感覚…」
以上、CDの帯に書かれてあるコメントでしたが、普遍的でジャンル分けなんて必要ない楽曲の数々…この人は絶対的なアーティストと感じました(ミュージシャンを超越した)。
奏でる音からなにやら”色”がイメージされるような不思議な感覚になります。CDジャケでは水色の鏡?がデザインされていますが、まさにその通りの音世界が展開されます。
前衛的な楽曲、アンビエントな曲、童謡のような楽曲…フィッシュマンズファンの流れでこのCDへたどり着きましたが、期待以上の素晴らしい作品で、”当たり”をひいてしまいましたね^^
フィッシュマンズのドラマー茂木欣一も参加していますが、抑制された控えめな打楽器の音もとても良いですね。
昨今、再評価がうなぎ上りのフィッシュマンズと同様に、HONZIさんの評価も合わせて上がっているのは喜ばしいことです。
HONZIは重病を患いながら活動を続けられていたようですが…彼女の強烈なビジュアルもさることながら、なにかを悟るべく迷いのない音を出すことで自身が生きていくエネルギー、病と闘っていくエネルギーを生み出していたのかもしれません。
後期フィシュマンズの名作 ”The Long Season”では、佐藤伸治と同様にほとばしるような演奏をする奇跡の瞬間が音と映像で残っています。
魂の音とともに天に召された短くも美しい人生…あなたの音楽は永遠不滅です