富野監督が聖戦士ダンバインで描いた架空の世界・バイストンウェルの世界。
本当に描きたかったバイストンウェルの世界はこのガーゼィの翼で描かれてるのだと思う。
巨大ロボットものじゃない物語であり、昨今の日本の作品や教育では描かれてない「死の厳しさ」や「生きる過酷さ」「本来良くも悪くも備えてた動物的感覚」に果敢に挑戦してる。
フィクションだから表現できる現実はたしかにある。
リアルだけがリアルとしてしか捉えられないと、閉塞感に包まれていく。
そこにはやはり「想像力」が必要だと思う。
それを体現してくれてるのが芸事なのかもしれない。
その芸事が問題定義してくれる科学の発展による人の動物的感覚の消失。
もしかしたら、本来の動物的感覚があればそれぞれが環境問題も自身の問題として捉えることができるのかもしれない。
コロナにしてもここまでの事態に決してならなかったと思う。
リスクゼロなんて本来ない。
過剰に情報に反応して、肌感覚で考えられない大人等。
情報太りや同調、ウイルスとの共存的視野もなく。
20年以上前の作品だけど、そこまで考えさせてくれ、今の時代にも通じる問題定義を描いてる作品を作る富野監督は、やはり伊達じゃないと思う。