Dmitri Shostakovich(1906~1975)は、15曲の交響曲を残しているが、第1番はレニングラード音楽院の卒業制作だった。当時Shostakovichは19歳だったのだが、この曲は評判となった。そしてその2年後、ここに収録されている最初の音楽、交響曲第2番「十月革命に捧ぐ」が書かれる。そしてそのまた2年後に交響曲第3番「メーデー」が作曲される。「メーデー」作曲時でも、まだ23歳の青年に過ぎない。
1927年は、言うまでもなくロシアの十月革命が起こってからちょうど10年である。第2交響曲は、これを記念して国家音楽出版局の委嘱を受けて作曲されている。ラルゴから始まり、力強い合唱で終わる良い音楽なのだが、歌詞にレーニンを称えたり、仕事とパンという言葉が飛び出したり、やはり時代と体制を感ぜずにはいられない。
第3交響曲は、特に委嘱されて作曲したものではないようだが、最後に労働者を鼓舞し、社会主義を称える合唱で終わっており、第2番と同様、革命が終わったソヴィエトの時代背景が窺える。
バレエ組曲「ボルト」も、工場のサボタージュを取り扱った音楽で、共産主義の若者によって解決されると言う内容になっている。
ヤルヴィ指揮、エーテルボリ交響楽団の演奏は、力強くて分かりやすい。