68年発表の1st。ボブ・ディランのアルバムなどで見事なオルガンを聞かせていたアル・クーパーが、ブルース・プロジェクト、スーパー・セッションなどを経て結成したブラス・ロックのグループのデビュー作。メンバーはブルース・プロジェクトの同僚スティーヴ・カッツ(g)、元マザーズ・オブ・インヴェンション/バッファロー・スプリング・フィールドのジム・フィーダー(b)、ボビー・コロンビー(dr) に4人のブラス・セクションを加えた形であり、シカゴと同様にブラス・ロックの代表的なグループとして高い評価を得ている。しかしながら、起草者だったアルは他のメンバーとの確執で本作発表後にグループを脱退している。1.はオーケストラを使ったクラシック風のプロローグ、2.はいかにもアル・クーパーなコテコテのブルース・ロックと、ブラス・ロックとして聞くとやや意表を突かれるが、その2.の中盤からのストリングスとブラスを交えたゴージャスなアレンジを聞くと要するに“タメ”だったのだと納得出来る。そして3.のブラスのアンサンブルに鳥肌が立つと・・・。とにかくよくプロデュースされた作品である。
大半がアル・クーパーの作品だが、ティム・バックレイの3.やニルソンの5.ランディ・ニューマンの6.キャロル・キングの12.などのカヴァーも含まれている。語弊があるかもしれないが、本作はブラス隊を配した豪華使用のアル・クーパーのソロ作品といった印象がある。また冬に良く似合いそうな作品である。