メディア掲載レビューほか
思えばチェロほど官能美を表わすのにふさわしい楽器はない。が、その特殊性からかジャズやポピュラー音楽で活躍することは皆無に近かった。しかし吉川よしひろは従来のボーイング以外に2本の指を使い、深みのある秀麗な音を紡ぎ出す。本作は吉川を中心に、里見紀子(vn)、新藤陽吾(p)、岡部洋一(perc)で結成されたアンサンブルのファースト・アルバム。パット・メセニー風の「レニングラードの白夜」での肉声のようなハートウォームなサウンドの美しさ。これを聴けばチェロに対する認識が変わるはずだ。 (渡辺昌美) --- 2001年02月号 -- 内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)