このCDのセールスポイントは何と言ってもお買い得なことである。「トゥアラトゥストラ」と「英雄の生涯」という黄金のカップル、合計演奏時間79分の価格である。これで演奏がダメだったら安かろう悪かろうということになるが、さにあらず。演奏・録音ともに文句はない。メータがレコーディングアーティストとしてノリに乗っていた60年代後半の録音である。メータはその後前者をニューヨークフィルともう一度録音し、後者はニューヨークフィル・ベルリンフィルと2回録音している。いずれも悪くないが、当盤の演奏もそれらに劣るものではない。このカップリングでは確かライナー・シカゴ響(RCA LIVING STEREO)の輸入版があったと思うがそれも当盤と甲乙つけがたい素晴らしさである。