ライ・クーダーが、彼のファースト・アルバムから「ゲット・リズム」までに、作中でカヴァーした曲のオリジナルを25曲まとめたコンピレーション・アルバムです。
1920年代、30年代のラグタイムやフォーク・ブルース、カントリー、ヒルビリー、フォークから60年代のロックン・ロールまで、ヴァエラエティに富んだアメリカン・ポピュラー音楽集として、
ライのアルバムを知っている人はもちろん、そうでない人も、存分に楽しめる作品集です。
それにしても、ここで聴かれる1920年代以降の音楽(白人、黒人問わず)の、強烈な歌と演奏には驚くばかりです。
よく「ルーツ音楽」という言い方をしますが、確かに現代のポピュラー音楽の原型となる要素が多分にあるものの、それらは既にこの時点で完成された個性的な音楽として、「根」ではなく多彩な「花」がこのアルバムの中に咲き乱れています。
いずれも素晴らしいものばかりですが、特にノア・ルイス、ブラインド・ウィリー・ジョンスン、ジョゼフ・スペンス、ワシントン・フィリップス、レッド・ベリーなどは特に感動的な歌、演奏でした。
SP盤音源の復刻も多いですが、おおむね音質は良好です。
1曲ごとに丁寧な解説がついており、ここからさらに自分の好みの音楽を広げる手助けになります。