ファンカのファンに最近なったので違っているかもしれないが、どうも彼らの最高傑作は「マゴット・ブレイン」派と「ワン・ネーション...」派に分かれているのではないか?
かく言う私は、というと−−両方とも、というのが答え。それって日和ってるんじゃないの? いや、そうではなくて、ドライでストイックな最高傑作は「マゴット」、ウェットで下世話な傑作は「ワン・ネーション...」ということです、簡単に割り切ってしまうと。
両アルバムとも1曲目のインパクトが半端じゃない。
しかし一方、「ワン・ネーション...」には、「マゴット・ブレイン」のライヴが収録されていて、実は、個人的には、そのヴァージョンが一番好きであったりするのだが...
本作での「マゴット」は、ミックスの段階でかなり他の楽器が削り取られたようで、ボーナストラックとして、別ミックスが収められているが、個人的にはこれまた、他の楽器も聞こえる別ミックスのほうが良かったりして...
...だがまあ、これらの評価は総て後知恵であって、1971年のリリース時、リアル・タイムで与えた衝撃はやはり大きかったのでは?
エディ・ヘイゼルのギターの破壊力もすばらしいが、プレ・フュージョン時代のジャズ・シーンとも呼応するバーニー・ウォレルのエレクトリック・キーボードも聴き物だとおもう。
1971年、マーヴィンは「愛の行方」、スティーヴィーは「青春の軌跡」、JBはパリでのライヴ、マイルズはキース・ジャレットやマイケル・ヘンダーソン、ドン・アライアスを引き連れ、ヨーロッパ・ツアーを行った。そして、ファンカデリックは「マゴット・ブレイン」を遺した。ファンク/R&Bにとって、象徴的な一年だった。