今のような異常な時代には、戦争映画こそが、教育に役立つ。
主人公が兵学校に入学した時、教官の厳しさが「理不尽」に思えた。
その後、主人公が戦場で部下を全員死なせ、教官として江田島に戻ってきた時、
自身が「鬼教官」となる。
厳しく生徒を鍛えなければ、戦場では生き残れないのだ。
しかし、戦場を経験していない生徒からは「理不尽な厳しさ」に思える。
これは戦時中だけではなく、現代にも繋がる話ではないか。
厳しい社会を生きている(はずの)親や教師は、子供が社会で生き残れるように子供を鍛える。
しかし、甘い子供社会に生きている子供には、その厳しさの意味は理解できない。
子供に好かれたい親は「甘い教官」になり、子供は戦場で死ぬ。
厳しい戦場で生き残れるのは、戦場の厳しさを叩き込んでもらった子供だ。
いつの時代も、親の心を子が知ることはない。
可愛い我が子のために、心で泣きながら、鬼になる。
全員が「上っ面だけの甘い善人」になったのが、教育崩壊の原因だ。
その立て直しに必要なのは、中村吉右衛門が受け継いだ「あゝ海軍」魂である。
名作中の名作だが、山本へぼ六を神のように描いているので☆1つ減。