バブル景気の最中、日本が遥かに裕福で勢いがあった時代。当時も日本のアニメ業界は激務ではあったが、作品に賭ける予算と労力、そして情熱が今と段違いだった時代。
王立宇宙軍オネアミスに始まり、後にふしぎの海のナディア、新世紀エヴァンゲリオンを生んでいったガイナックス全盛期の本作は、OVAというのもあるが、動き、音楽等クオリティが素晴らしいと思う。もちろん、好みは人それぞれだが、少なくとも仕事として、非常に精緻で高い完成度だ。
ストーリーもある意味お約束のオンパレードで、突拍子もなかったりノリ重視だったりするものの、エネルギッシュで、未来を信じる前向きさは、いかにも80年代で、私は好きだ。
日本はバブル景気、米国も冷戦に勝利目前という時代背景だが、タイトルからもわかるとおり、ハリウッドの「トップガン」に類似したとこも多い。
庵野監督の大好きなパロディも多く、随所に実名の小ネタ(ナウシカ、トトロ、宇宙戦艦ヤマトなどの本物のポスターが劇中に飾られていたり、宇部興産やNTTなど実際に企業名が書かれた商品)が出てくるところも詰まらぬタブーが少ない昭和の香りがする。
単純かもしれないが、「こういうのでいい」のだ。