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戦後広島のヤクザ抗争の渦中の人物であった美能組元組長・美能広三の獄中手記を基にした、飯干晃一の小説を原作に描く実録ヤクザ映画シリーズの第1作。
復員兵の広能(菅原文太)は、当時まだ小さかった山守組の身内となり、敵対する土居組組長を暗殺するが、途端に山守組長(金子信雄)から邪魔もの扱いされて自首せざるをえなくなる。その後勢力を拡大していく山守組内部で、坂井(松方弘樹)ら主流派と有田(渡瀬恒彦)ら反主流派の内部紛争が始まっていく。やがて仮出所した広能は、山守組長から紛争に勝利した坂井の暗殺を促されるが…。
従来のヒロイックな任侠映画とは一線を画し、情け容赦ないヤクザ社会の実態を、手持ちぶん回しキャメラを駆使したパワフルな暴力描写でリアルに見せこみながら、戦後の日本とも照らし合わせていく。まさに深作欣二監督の金字塔であり、日本映画史上に燦然と輝く傑作。「キネマ旬報」ベスト・テン第2位。(的田也寸志)
レビュー
深作欣二監督の代表作がついにDVDになった。手持ちカメラのリアルな映像やストップモーションなど、後に与えた影響は大きい。登場人物が死ぬたびに“何年何月何日だれそれ死亡”と出てきて、『バトル・ロワイアル』の原点って『仁義~』だなぁとあらためて思う。今観て感じるのはとにかく役者がいい。狡猾な金子信雄の親分を筆頭に、脇役に至るまで存在感のある強烈な個性の役者ばかりだ。ところで伊吹吾郎が床屋で撃たれたり、延々とつづく血の粛清シーンを観て、『仁義~』は日本版『ゴッドファーザー』だったことを思い出した。 (竹之内円) --- 2001年10月号 -- 内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)
監督: 深作欣二 出演: 菅原文太
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)