名盤だというので早速聞いてみたが、熱気は伝わるものの、いまひとつピンと来なかった。
440hz → 432hz にピッチを下げて聞いたところ、急に音楽の意味が理解できた。
なんだかよくわからない外国語が、急に母国語で聞こえてきたかのような、それは劇的な変化だった。
もしかすると、20世紀に演奏されたものは、かの馬鹿馬鹿しい国際基準とやらでA音=440hz と勝手に決められたことの弊害かも知れない。私の手持ちの音楽は、コンピューターというありがたい文明の利器を使って、そのほとんどをピッチを下げて聞いている。そのためか、耳がA=432hzの世界に慣れてしまい、440hzだと逆に違和感を覚えるようになった。騙されたと思って試してみて欲しい。たった8hzの差しかないのに、音楽的にまったくと言って良いほど別の意味を紡ぎ出す。ラジオのチューニングがわずかに狂っていると、音波がよく入らないのにも似ている。432hzに直した瞬間、「これだ!」となる。