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ボサノヴァの創始者として『波』、『潮流』など幾多の名作を残したアントニオ・カルロス・ジョビン。そんなジョビンを敬愛してやまない坂本龍一。偉大なミュージシャンである2人が、時間と空間を超えて出会ったのが本作。
坂本がジョビンの曲を、ジョビン愛用のピアノを使い、ジョビンが生前使っていたスタジオでレコーディングするという夢のような企画なのだ。バックを務めるのは、かつてジョビンのバックで活躍していたモレレンバウム夫妻。
聴く者に「癒し」以上のものを与えてくれる、教授の奏でるジョビン。夏にはこのユニットによるコンサートツアーもあり、大きな話題となるのは必至だ。(中田 那加)
メディア掲載レビューほか
ジョビンへの深い敬愛と慈しみがあふれる作品だ。坂本はまっすぐにジョビンの音楽に向いている。たとえば、ジョビンは多くの音数でピアノを弾いたりはしない。ここで坂本もジョビンのように少ない音数で弾いている。じつは、最高の音楽とは、その音楽を構成する、あらゆるものの至高の調和。そのことを熟知したジョビンと同じく、坂本のピアノもサウンド全体と美しく融和し、しかも、それはサウンドの要として機能しながら、彼の精神がゆったりと息づいているのである。坂本が弾くのはジョビンの家のピアノ。その音はジョビンの魂の深い呼吸であるかのようだ。おそらく坂本はジョビンのスタイルを貫くことで彼の音楽の深奥に辿り着けると直観的に感じたに違いない。坂本の魂とジョビンの魂の交感。筆者は聴きながらなぜかジョビンの内面の世界に舞い降りていくような不思議な錯覚に陥ってしまった。収録曲にボサ・ノヴァの超有名曲を外した心意気よし。ジョビンへの真摯なトリビュートに胸打たれる逸品である。 (上村敏晃) --- 2001年08月号 -- 内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)
坂本龍一による、ブラジル音楽の中でも有名なアントニオ・カルロス・ジョビンのトリビュート盤。ジョビンのバックをつとめていたモレレンバウン夫妻とともにボサ・ノヴァの名曲を演奏。
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)