結果的にとっても現実な不倫ドラマで終わって好感です。
華やかな部分だけじゃなく、
ちゃんと不倫の代償である地獄のような苦悩のシーンも沢山でてきましたし。
そして心に残るような人生観に関するセリフも多くて、個人的にはとても好きなドラマでした。
まあ、不倫された妻がとうとうキレて、
頭がおかしくなったフリをして「赤ずきんちゃん」の台詞を言いながら、
不倫相手の女の家に乗り込むとかのシーンは、
ちょっと狂気に満ちてて現実離れしてる感もありましたが。
まあでもその「狂気のマリ」がこのドラマの見所の一つでもあるのですが。
そして脚本を書いた内館牧子という人は、
どうも「女性が力をつけて自立して欲しい」という考えが強い気がします。
だからこのドラマでも、どちらかと言うと女性が主役なんだと思います。
最後はあかりは恋を一度全て断ち切って仕事に生きようとするし、
マリはもう一度大学に入り直して学びたい事を勉強するという夢に向かったり、
女性の自立をテーマにして最終話へとまとめていく印象が強く、
そういう意味で最後は駆け足のようにみんなコロッと丸く収まっていく印象がしました。
壊れていた丈も、あかりの吹っ切れた恋愛の総まとめを聞いたり、
渡夢に「丈、生活を荒らしてる暇なんて無いぞ。あっと言う間に俺の歳だ…あっという間だぞ…?」
という格言を聞いたりして、またまともな青年へと回帰し、
ラブホだけで会うのではなく、もう一度普通のカップルから始める為に沙多子と向き合います。
あれほど負の感情や狂気に満ち満ちとしてたドラマの空気が、後半から一気に急速に晴れます。
迅人が母親を美奈にも紹介しますが、その時に迅人の母親が、
「一人で生きられない人間が、二人で生きられるもんかよ」というくだりの台詞は名言でした。
最終話の「心臓も凍る結末」というサブタイトルはいささか誇大広告のようかもしれませんが、
最終話の派手な演出には期待せず、全体の流れで評価できるドラマかと思います。
最後に嵐は、夜中にこっそり抜け出して深夜の高速をぶっ飛ばす趣味がマリにバレますが、
「日々の息苦しい生活を維持するのにバランスを取る為にバイクを深夜に走らせてる設定」が、
微妙に好きでした。ただ単に不倫のドロドロ恋愛だけじゃなく、
こういう人の陰の部分の設定とかも結構しっかり作られてて好きなドラマです。
最後のナレーションです↓
「生きている限り、やり直しは効くのです。40でも、60でも80でも。生きている限り…」
ちなみにこの最終巻には特典映像として、主演者メイン4名のインタビューが入ってます。