1982年イギリスはオックスフォードでパット・フィッシュとマックス・アイダーを中心に結成、B級インディーズ・ポップの香り漂うギター・バンド。
歌詞は英国人らしいユーモア、シニカルさを備え、文学的造詣の深さ(米国ポスト・モダン作家ピンチョンの『競売ナンバー49の叫び』が好きらしい)もあり、一筋縄ではゆかないところも。
1983年、やや貧乏臭くも洗練されたミュージシャンが多かった名門レーベルのGlass Recordsからデビュー、そこに残した4枚のアルバム中、1984年にリリースした傑作2ndアルバムの初CD化作品(2001年、ボートラ無)。
アメコミを模したポップなジャケットから、コアなファンの間では別名“豚走りアルバム”と呼ばれ、親しまれた。
Creation Recordsに移籍してからは普通のギター・バンドに成り下がった感があり、やはりこの連中はGlass時代が最も活き活きしていたが、中でもこの2ndは彼等の最高傑作。
ベース、ヴォーカルでバウハウスのデヴィッドJも参加している。
リアル・タイムで、2曲目のパットが創った軽快な「Real Men」を何度繰り返し聴いたことか。
コーラス・パートが、Grandmaster Flashの名シングル「White Lines」(1983年)に似ているのは愛嬌。
プレミアが付き高価で取引されているようだが、3rdアルバムと2 in 1の『A Scandal In Bohemia/Sex & Travel』を探す手もあり、購入は慎重に。