『コテコテ劇場 男の花道』(2000年11月収録)
『遊びじゃないのよ父さんは』(2000年8月収録)
『コテコテ劇場 男の花道』
文枝さんの創作落語は、古典落語よりも漫才に近い感じがします。
一人漫才とでも言いましょうか。
扱うネタが似ているからだろうと思います。
枕に京都南座のそばで出会った歌舞伎役者が登場します。
こういう話題が文枝さんは抜群に上手いですね。
多分、もう少し実を入れれば創作落語になってゆくのではないでしょうか。
案外創作落語の難しさはこんなところにあるのかな、とも思いました。
枕話と被るといいますか。
落語は、長年続いた旅役者の一座の物語です。
遂に解散となって看板役者が就職しますが、なかなか昔の癖が抜けずいろいろ騒動を起こします。
役者は多くの人が憧れる職業ですが、これこそ好きでなければやれないですね。
舞台に立たなくなった元役者の姿を見て、逆に役者魂のようなものを感じさせられたりします。
スター扱いされてた頃は、そんな感じしなかったのに、ああやっぱり彼は根っからの役者なんだな、などと。
そんなことを考えたりしました。
『遊びじゃないのよ父さんは』
普段は朝から夜中まで仕事をしているお父さん。
休日は家族サービスでもっと過酷になります。
その様子を描いた落語です。
この風刺は高度成長期によく見られたのですが、2000年代に入っても同じなのでしょうか。
ややプロトタイプのようにも思えました。