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パンダブームにわく1972年に公開された「パンダコンダ」シリーズは、宮崎駿(脚本)と高畑勲(演出)という「黄金コンビ」が手がけた劇場用短編アニメ。
おばあちゃんと2人暮しのミミちゃんだったが、おばあちゃんが遠くに出かけることになり、ミミちゃんはひとりお留守番。そこに言葉を話すパンダの親子がやってくる。ずっとパパと弟がほしかったミミちゃんはこの予期せぬ客に大喜び。家族として暮らし始めるのだが、動物園の人が探しに来たことから大騒動に…というのが、第1作『パンダコパンダ』。
第2作『雨ふりサーカス』は、第1作で大団円を迎えて一緒に暮らすことになったミミちゃんとパンダ親子の家に、サーカスから逃げ出してきたトラちゃんが闖入(ちんにゅう)することから幕を開ける冒険談といった趣き。
アニメ映画黎明期らしいのんびりとしたストーリー運びながら、見せ場はきっちり作られており、その後の宮崎・高畑の作品に通じる完成度の高さを垣間見ることができる佳作。なかでも第1作には、『となりのトトロ』などの原点といえるようなシーンが点在している。もちろんそんなことを考えなくても、ミミちゃんの元気のよさとパンダ親子のかわいい仕草に目がくぎづけの楽しい作品だ。(安川正吾)
レビュー
72年と73年に公開された短編映画。来日で人気の出たパンダを題材にして作られた単なる作品となるはずが、高畑勲と宮崎駿、大塚康夫の手によって秀作として世に残る作品となった。動物たちの動き(パンダはトトロにそっくり)、美味しそうな食べ物(ハイジのチーズや『千と千尋の神隠し』の饅頭のように美味しそうな食事)、洪水シーンの美しい水の模写や背景の森や竹を観ると、書き込むだけでなく構図によって簡略した線でも十分に表現できるということを再認識させられる。漫画映画の原点ってこんなところを押さえることなのですよ! 必見。 (池崎晴) --- 2002年02月号 -- 内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)
演出: 高畑勲 原案・脚本・画面設定・画面構成・美術設定: 宮崎駿 作画監督: 大塚康夫/小田部羊一 撮影監督: 清水達正 美術監督: 福田尚郎/小林七郎 音楽: 佐藤允彦 声の出演: 杉山佳寿子/熊倉一雄/太田淑子/山田康雄/瀬能礼子/丸山裕子/和田文夫/安原義人
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)