はなればなれに [DVD]
フォーマット | ドルビー, ブラック&ホワイト |
コントリビュータ | サミー・フレイ, ジャン=リュック・ゴダール, アンナ・カリーナ, クロード・ブラッスール |
言語 | フランス語 |
稼働時間 | 1 時間 36 分 |
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
商品の説明
Amazonより
ゴダールの映画にはいつも予想を裏切られるが、シンプルさのオブラートにくるまれた本作も、その例に漏れることはない。推理マニアの親友フランツとアルチュールが、英語学校で出会ったオディールとともに、彼女の叔母の家に眠る不法所持の大金を盗もうとする。一応、犯罪サスペンス&3人のラブストーリーのかたちを呈しているものの、物語そのものに新味はない。
延々と同じステップを繰り返すダンスや、ルーブル美術館内の全力疾走、1分間の沈黙ゲーム…などなど、物語の流れを寸断するようなカットこそが、この映画の魅力。音と映像のあからさまな不均衡や、ゴダール自身によるナレーションも、確信犯的に観る者を混乱へと誘っていく。
そんなチャレンジングな手法を駆使しながらも、ポップな感覚の青春ドラマとしても成立させてしまうところが、やはりゴダール。『勝手にしやがれ』の2年後の1961年、31歳の彼の瑞々しい才気が漲っているのだ。そして、ゴダール映画の女神、アンナ・カリーナのキュートな表情を見るだけでも、本作の存在価値はアリ!(斉藤博昭)
レビュー
製作: フィリップ・デュサール 監督・脚本・ナレーション: ジャン・リュック・ゴダール 原作: ドロレス・ヒッチェンズ 撮影: ラウル・クタール 音楽: ミシェル・ルグラン 出演: アンナ・カリーナ/サミー・フレイ/クロード・ブラッスール/ルイザ・コルペイン/エルネスト・メンゼル/シャンタル・ダンジェ
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)
登録情報
- アスペクト比 : 1.33:1
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 言語 : フランス語
- 梱包サイズ : 18.03 x 13.76 x 1.48 cm; 83.16 g
- EAN : 4523215004084
- 監督 : ジャン=リュック・ゴダール
- メディア形式 : ドルビー, ブラック&ホワイト
- 時間 : 1 時間 36 分
- 発売日 : 2001/12/22
- 出演 : アンナ・カリーナ, サミー・フレイ, クロード・ブラッスール
- 言語 : フランス語 (Mono)
- 販売元 : 紀伊國屋書店
- ASIN : B00005RV29
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 24,091位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 735位外国のミステリー・サスペンス映画
- - 2,144位外国のドラマ映画
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
カフェで無心に踊る三人。ルーブル美術館内を駆け抜ける三人。そしてつかの間の“三人の青春”を謳歌したあと、醜い犯行に及ぶ三人。そして崩れていく三人の絆、そして別離。これらが淡々とした、しかしゴダール固有の突拍子もないリズムで描かれているところがいかにも彼の映画、ゴダールのシネマ。
でも残念。少し感情が希薄すぎる。純粋な乙女オーディールに扮した可愛いカリーナが心いっぱいの演技をしているからこそ、そこが少し残念。オーディールを囲むフランツとアルチュールの感情描写が希薄すぎる!それともゴダールの演出がここの部分あえて淡白なのか?恋愛映画に前衛性を求めたら自然とそうならざるを得ないのか?では、オーディールのはちきれんばかりの不安と喜びはどうなるのか?そんなことを問いながら、やはりゴダールのフィルムはアンバランスの中に面白さがあり、不可解なことの中に意味が存在しているとあらためて実感させてくれる作品です。
では、どこがどうなっていたら満点をつけることが出来たのか?それは今私にもわかりません。それだけ、麗しい、けれど心が薄いアバンギャルドな青春群像がこれ。
監督・脚本はジャン=リュック・ゴダール。モノクロ。97分。
脚本はドロレス・ヒッチェンズの犯罪小説『愚か者の黄金』(1958年)の翻案。
音楽はミシェル・ルグラン。
ゴダールの作品の中でも最も分かりやすくて一般大衆向けの映画の一つ。
冬のパリ。オディールという名の若い女(アンナ・カリーナ)が、英語教室でフランツ(サミ・フレー)という名の男と知り合う。フランツとフランツの友人のアルチュール(クロード・ブラッスール)はオディールを口説こうとするが、オディールは優しいフランツよりも粗野で強欲なアルチュールの方に惹かれてゆく。
オディールはフランツに、自分と叔母のヴィクトリアとストルツという名の男が一緒に住んでいるパリ郊外のジョアンヴィルの家に大金が隠されているという話をする。
アルチュールとフランツはオディールの家から金を盗む計画を立て、オディールも計画に加わる。
オディール、アルチュール、フランツがカフェでR&Bの曲に合わせて踊るダンスのシーンと、3人が最短でルーヴル美術館を駆け抜ける世界記録の更新に挑戦するシーンが印象的。
ダンスのシーンは、ハル・ハートリー監督の『シンプルメン』(1992年)やクエンティン・タランティーノ監督の『パルプ・フィクション』(1994年)に影響を与えている。
ベルナルド・ベルトルッチは『ドリーマーズ』(2003年)で本作のルーヴル美術館のシーンを再現した。
ゴダールの作品中、めずらしく「幸せな」、そして「難しくない」映画と言われる『はなればなれに』。
セリ・ノワール叢書の一冊、(ドロレス・ヒチェンズというアメリカの女性作家の作品)『愚か者たちの黄金』を、ジルベルト・ソラカロが仏訳した『(仏タイトル)鳩は飛ぶ』が・・・本作『はなればなれに』の元だそうです。
小説の語り口・文体が気に入ってそれを生かそうと考え、(ゴダール自身による)ナレーションもその「調子を保っている」ということです(パンフのゴダールへのインタビューより)。
例えば・・・ヒロイン・オディール(アンナ・カリーナ)の伯母さんのお屋敷の下調べシーンの詩的な美しいナレーション「遠い星のような冷気のきらめきを見た」などなど。。『鳩は飛ぶ』の他、レーモン・クノーの小説『オディール』の一節を踏まえたものや、ブルトン、ランボーやアラゴンの詩も使われています。
・・・
オディールと知り合ったフランツ。彼は、彼女の伯母さんの大金を相棒アルチュールと狙う。
彼らの「陰謀(?)」に巻き込まれ抜けられなくなってしまうオディール。
素人で間の抜けたギャング(もどき)の「2人組」と、無垢だがどうも少々モタモタした(始終眉根を寄せた憂い顔の)女の子オディール。3人の「犯罪」の顛末の、先の見えそうもない何とも言えない感じと、ゴダール監督の映画のリズム。
3人の通う英会話教室のちょっとヘンなというか・・コミカルとも言えるフンイキ。
深夜のカフェで、♪『シェルブールの雨傘』のかかるシーンのグッとくる運びと、(見た人みんなきっと気にいる)マディソンダンス!(音楽はミシェル・ルグラン)。
2人と1人の三角関係も身を切るものではなくて・・・
でも、夜のパリの街の深い黒とまばゆい光とメトロの音とオディールの語って歌うアラゴンの詩の中の・・・ちょっとした恋。
淀んだ川と「カラス島」とオディールは言っていた(字幕に出た)、どこか寂しげにおとぎ話のように語られるお屋敷。
伯母さんが「ボス・・・」と口にしたストルツさんとやら・・・・・別にきっちりしたミステリや、ちゃんとしたサスペンスではないけれど、素人ギャング(もどき)の初仕事らしい彼らの「もたつき具合」はリアリズムの語り口でしたね(ゴダールとクタールの素敵な映画のリズムがここで少し「停滞」なのも印象にのこります)。
ラストは(書きませんが)・・・ゴダール監督はどういうふうにするかすごく考えて、その結果を気に入っているという、そんなラスト!!
追加情報:アルチュールは「ランボー」、フランツは「カフカ」が役の名字(!)。そして、カリーナ演じる「オディール・モノ」は、ゴダールのお母さんの旧姓そのままだそうです(名のオディールは、クノーの小説『オディール』からとったものでもある)。オディールそっくりの主人公の出てくる小説(古本)を、フランツが車中で読むシーンに使われるのは、ブルトンの『ナジャ』の挿話だそうです。。
アンナ・カリーナの下手ウマな踊りが最高。『女と男のいる舗道』(こちらは何十回見たかわからない)が好きな方にお勧めします。ゴダールは、私にとっては当たり外れが激しい作家ですが、この作品は当たりでした。