今年に入り、私は金八先生のシリーズのドラマを初めて見ました。tverで上戸彩さんの過去の出演作の特集が組まれて、「シャーロックの子供たち」という映画に上戸さんが出演を記念してとのことでした。
このサントラはその上戸さんがブレイクした第6シリーズの音楽集です。
私は学園ドラマなんてとタカをくくっていたのてすが、見るとその内容の濃さにびっくりし、その重たい内容にはこのような音楽がふさわしいと感じたものです。
中でもキリエ・エレイソンの歌詞の乗った曲は本当に好きになりました。弦楽器群の中音域で奏でられるあのメロディーとコーラスの組み合わせの部分は一度聴いたら忘れられない音楽です。
他の楽曲でも木管楽器の奏でるメロディーやモチーフは大変印象的で独特な世界観があります。
劇伴の作曲家を目指す、音大の作曲専攻の学生の皆さんにも是非聞いていただきたいものの一つです。最近はクラシック音楽系とポップス系の音楽をどちらも扱えて、様々な現代の楽器やオーケストラ・吹奏楽系の楽器にも精通していないと激しい競争を勝ち抜けないのかもしれません。あるいはパソコンの音楽制作ソフトウェアでプロモーションを製作できるだけの力量も必要なのかもしれません。
そしてこの作曲者のように何か独特な世界観を出せることも、ますます重要になってきているのではないでしょうか。
和声もクラシックのそれだけ(例えば俗称「芸大和声」の1~3巻のマスターだけ)では現代のニーズを満たせる作曲家にはなれないのかもしれませんが、城之内さんの書いたようなタイプの音楽は古典和声と音大で習うような厳格対位法のマスターでも書ける音楽ですから、絶対というのは無いのでしょう。