タイトルにある"all tomorrow's parties"とは、ヴェルベットアンダーグラウンドの1stに収録された曲のタイトルを引用、1999年にベルアンドセバスチャンがキュレーターを務めたイベントを前身にした団体である。
本作はソニックユースがキュレーターを務め、彼等と親交がある、もしくは彼等が好むテイストのアーティストの作品を集めたコンピ。
12曲収録。有名どころではキュレーターのソニックユースを筆頭にステレオラブ、キャットパワー、そして日本からボアダムズといったところで、
ライブ自体も2002年3月ロスで行われたようである。
ソニックユースがキュレーターということで入手してはみたが、
ポストロック、エクスペリメンタルロック、インダストリアル、アンビエントといった前衛性が唯一売りのコンピであるため、
この手のジャンルに造詣がけっして深くない自身にとっては、最後まで聴くのはかなり辛いものがあった。
まだ前半は穏やかなテイストがあるものの
後半は殆どノイズであり、まったく理解不能。(好きなひとは好きなんだろうけどね)
しかも発表から17年経った今、聴くと
この辺のジャンルのサウンドも進化しているなか、風化こそしていなくとも、その当時、最先端を意識してたプレイヤーのスノッブな感覚が鼻に付いて、正直キツいものがあった。
紙ジャケット、インナーといった仕様も今見ても洗練されたデザインであることが、
その時代錯誤感を増長させている気がする。
音のカタログとしても、ごく一部の方にしか、お勧めできない。
またタイトルに冠したヴェルベットアンダーグラウンドのDNAを真っ当に受け継いでいるとは思えないというのが、正直な感想である。