勅使河原宏の世界 DVDコレクション
フォーマット | 色, ドルビー |
コントリビュータ | 仲代達矢, 勝新太郎, 井川比佐志, キース・サイクス, 岡田英次, 勅使河原宏 |
言語 | 日本語 |
稼働時間 | 9 時間 23 分 |
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商品の説明
商品紹介
勅使河原宏監督の作品を収録した6枚組BOXセット。安部公房原作のカンヌ国際映画祭審査員特別賞受賞作『砂の女』をはじめ、『おとし穴』『他人の顔』『サマー・ソルジャー』『燃えつきた地図』の5タイトルと、短編映像集を収録。
【収録内容】
■DISC1:『おとし穴』
北九州のボタ山で理由もなく殺された男。幽霊になった彼は、組合幹部の一人が自分と瓜二つなことを知る。
TVドラマ「煉獄」を安部公房自身の手で映画用にシナリオ化。勅使河原監督の記念すべき長篇劇映画第一作、かつATGの日本映画配給第一作でもあった。武満徹の他、一柳慧、高橋悠治と現代音楽の精鋭が参加した音楽も必聴。
仕様:本編ディスク:片面1層
画面:1.33:1
音声:モノラル
■DISC 2:『砂の女─特別版─』
虫採集のため真夏の砂丘を訪れた中学校教師は、砂の底の家に住む女の囚われの身に。極限の状況下でもろく崩れていく日常性。「おとし穴」に続き、安部公房の不条理小説を撮影=瀬川浩、音楽=武満徹の見事なコラボレーションを得て映像化。日本人として初めてアカデミー賞監督賞にノミネートされるなど、国際的に名声を高めた傑作。DVDでは、カンヌ出品後オフィシャル版となった122分版に加え、劇場封切り時の147分バージョンを38年ぶりに公開する。
仕様:本編ディスク:片面2層
画面:1.33:1
音声:モノラル
■DISC 3:『他人の顔』
工場の事故で顔に大火傷を負った男は、仮面を新しい顔にした日から、次第に人間不信を募らせモラルとアイデンティティを失っていく。アレゴリーに充ちた安部公房の世界を、スタイライズされた美術と実験的映像表現で描いた不条理ドラマ。DVD特典として、1977年のTVドキュメンタリーシリーズ「われらの主役」より、「仲代達矢」編を収録。
仕様:本編ディスク:片面2層
画面:1.33:1
音声:モノラル
■DISC 4:『燃えつきた地図』
失踪者の捜索を依頼された探偵。糸口のつかめぬまま、彼自らが人生の迷路に迷い込んでしまう。後にTV「新座頭市」でもコンビを組んだ勝新太郎の勝プロ作品で、安部公房脚本による最後の長編映画となった。勅使河原作品では唯一、ビデオ・LD共に未発売だった長編作品。DVDには東京12チャンネルで放映された「われらの主役」より、「勝新太郎」編を収録する。
仕様:本編ディスク:片面2層
画面:2.35:1スクイーズ
音声:モノラル
■DISC 5:『サマー・ソルジャー』
岩国基地から脱走した米兵は、日本人組織の援助により各家庭を転々とするが、次第に孤独と絶望にさいなまれていく。
仕様:本編ディスク:片面1層
画面:1.33:1
音声:モノラル
■DISC 6:短編作品集
監督デビュー作「北斎」、草月流初代家元の父・蒼風の仕事を捉えた「いけばな」「いのち」、羽仁進、松山善三、荻昌弘、川頭義郎ら “シネマ57” の8人で共同製作した「東京1958」、ボクシングのチャンプを追う「ホゼー・トレス」「ホゼー・トレスPart1」、4カ国合作の1編で安部公房が原作・脚本の「白い朝」、現代美術家の作品を大岡信による解説付で紹介する「動く彫刻 ジャン・ティンゲリー」。
Amazonより
前衛的実験的手法で人間の奥深い内面心理を描き続け、世界的にその名を轟かせる名匠・勅使川原宏監督の作品群を収録したDVD-BOX。作家・阿部公房と組んだ長編劇映画デビュー作の『おとし穴』から『砂の女』『他人の顔』『燃えつきた地図』、そして『サマーソルジャー』、短編映画の数々が収められている。『砂の女』は国際普及版と初公開版の両方を収録。また個人的には幻とも謳われていた勝新太郎主演の『燃えつきた地図』(勅使川原監督がカツシンに与えた影響は大きい)や、4か国合作オムニバス映画の1篇として作られた『白い朝』の初ソフト化が嬉しい。それらの音楽を担当している武満徹の名曲の数々も聞き逃し厳禁だ。なお残りの勅使川原監督の長編映画『アントニー・ガウディー』はDVD化、残る『利休』『豪姫』のDVD化も強く望みたいところ。(増當竜也)
レビュー
ものすごいボックスが出てしまった。昨年の4月に急逝した勅使河原宏監督の究極とも言うべきコレクションだ。『おとし穴』から『燃えつきた地図』までの安部公房とのコラボ4作と、実話をドキュメンタリー・タッチで撮った『サマー・ソルジャー』の長編5作6種(『砂の女』はロードショー以来初公開となる147分ヴァージョンも収録)、短編8本、仲代達矢と勝新太郎のTVドキュメンタリー2本、延べ985分という重量級ボックス。勅使河原監督はシュールで重厚な演出、とにかく問題作しか撮らなかっただけに相当な体力を必要とすることはたしか。なにせ勝新太郎と渥美清という娯楽映画の申し子のような俳優を使った『燃えつきた地図』でさえサイケでシュールにしてしまうのだから……。 (竹之内円) --- 2002年06月号 -- 内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)
監督: 勅使河原宏 原作・脚本: 安部公房 脚本: ジョン・ネースン 出演: 井川比佐志 宮原カズ/岡田英次/岸田今日子/仲代達矢/入江美樹/キース・サイクス/李礼仙
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)
登録情報
- アスペクト比 : 1.33:1
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 言語 : 日本語
- 梱包サイズ : 20 x 14.5 x 5 cm; 639.58 g
- EAN : 4988126201029
- 監督 : 勅使河原宏
- メディア形式 : 色, ドルビー
- 時間 : 9 時間 23 分
- 発売日 : 2002/4/14
- 出演 : 井川比佐志, 岡田英次, 仲代達矢, 勝新太郎, キース・サイクス
- 言語 : 日本語 (Mono)
- 販売元 : 角川映画
- ASIN : B000060NCW
- ディスク枚数 : 6
- Amazon 売れ筋ランキング: - 63,522位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 3,189位日本のドラマ映画
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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昔の日本映画のレベルの高さを感じます。
この2作が欲しくて、高いのでかなり迷いましたが、このセットを買ってしまいました。
ストーリーもSF風味とミステリー風味があって面白いですし、モノクロの画面も美しくてストーリーに合っているし、昔の女優さんたちの美しさも楽しめます。
(特に、「他人の顔」に出演されている入江美樹さん(小沢征爾さんの奥様なのですね)は、役柄のインパクトもあって、忘れがたい美しさです)
たまたま僕は図書館でDVDを借りることができて、これらの映画に触れることができたのですが、できればバラ売りしてほしいです。
そうでないと、レンタル屋さんにも並ばないでしょうから、これほどの傑作たちがあまり観られることがなくて、もったいないことこの上ないと思います。
まず、仕様についてですが、比較的簡素な6枚収納できるプラケースに入っています。中身は前版と同じですが外は別物なのです。
(上記の写真は前版のデザインで、この商品のデザインは別物です)
個人的には店頭でみたことのある前版の(判りやすい)豪華さが好きです。…が、シンプルでコンパクトな今回のほうが好ましいと考える方もいるでしょう。
ブックレットも前版を再編集したものが封入されています。監督自身のインタヴューをはじめ豊富な記事が含まれ資料性もあります。
『おとし穴』『砂の女』『他人の顔』には日本語字幕がついているのも好印象です。ふるい日本映画はセリフが聞き取りづらいですから。
内容は失踪シリーズとでも言いたくなる作品群。特に初期3作品『おとし穴』『砂の女』『他人の顔』が抜群です。この三作品を見るためだけにこのボックスを買う価値はあります。(この三本については別項にレビューを書きました)
『 燃えつきた地図』 は勝プロセルフプロデュースで初のカラー作品でもあります。冒頭のタイトル部分や終盤の色彩反転などにらしさが見られます。失踪した男を追う物語は一見探偵物ですが謎は解決しません。主人公が得体の知れない謎に沈んでいく物語で、前三作にあったトリッキーな面白さは少なめです。(ただ、その‘得体の知れなさ’はなかなかですが)
俳優陣は豪華で見所も多く、市原悦子と勝新太郎のベットシーンという、(ある意味怖ろしく)貴重なシーンも観れます。そのほか気が弱いが得体の知れない渥美清や、やたらとクールビューティーな中村玉緒も印象的です。ただ、勝新太郎が難しい顔をして歩き回るものの、この映画ではたいして強くありませんし、戸惑う演技が上手くいかない感じです。
そんなわけで(?)いまひとつ決まっていない印象ではあります…。
『サマーソルジャー』はこのボックスのなかで安部公房の脚本ではない唯一の長編です。
これも失踪がテーマの一つですが、やはり他の長編とはテイストが違い時代性が勝っているように思います。脱走兵の孤独な旅を描き観念的な印象は薄くドキュメンタリー的な手触りも感じます。(ほぼノーライトで、しかも16ミリで撮影された荒い画像もその印象を強めているかもしれません)ただ、初期の作品にあった判りやすい勢いが失われているような気がしました。
短編集は面白いものと(私には)解らなかった物に別れました。その中では安部公房脚本(というよりセリフのコラージュ)の短編はとても素敵です。『他人の顔』 で悲劇的な妹役を演じた入江美樹が(明るく)主演しています。安部=勅使河原コンビの隠れた一編です。特に音楽(音)の使い方が抜群で緊張感もなかなかです。インダストリアルノイズ(?)が印象的でした。
このボックス、商品全体としてはとても楽しめるものです。上記のようにケースは(私にとって)イマイチだったのですが、内容としては大枚をはたいた価値がありました。(値段は高いですが、六枚組みということも考えると妥当かも知れません)収録作品では『おとし穴』が最大の収穫です。
製作順に観ていくと監督の変化を感じられるのも面白いところです。
(それでもヤッパリ高いので、せめて『おとし穴』 『他人の顔』 『燃えつきた地図』をバラ売りして多くの方に観てもらいたい、という気がします)
カンヌで審査員特別賞の『砂の女』に目が行きがちだけど『おとし穴』『他人の顔』『燃えつきた地図』が個人的には大好きです。
雰囲気あるモノクロ映像と音楽の融合も完璧。
名前しか知らなくて買うのを躊躇してたけど大正解だった。たぶん一生の宝物になると思う。
長編映画DVD5枚+短編映画集DVD1枚+ブックレット。ボックスの作りも良い。
そしてはっきり言ってこの映画はオールスターキャスト。さらに美術良し、原作良し、音楽良しと悪いところがありません。本当に素晴らしい日本を代表する映画の一本でしょう。
まあ顔の形の疑問。これって根源的な問題です。皮膚と配列という表層的なものでしょうが、持っている問題は根源的。
美意識とはなにか?を問われます。その前に常識とはなにか?
「覆面の心理」、人間は匿名では違う人格が出てくるのか?答えは戦争でもわかります。それに呼応するごとく精神病院が出てきます。なかに戦争の被害者がたくさんいるのです。そして美しい顔に傷のある女の子も。
このほかにも素晴らしいシーンの連続で、いちいち切り取ることはしませんが、仮面の人格とそれまでの人格と怪我をしたあとの人格の3つが並存していたのです。というより怪我をしたから仮面の人格を楽しめるようになったのでしょう。
精神薄弱の女がその本質を見抜いたのは、顔などの外見にかかわらず、人を識別しているからです。
ということは一般の人は何を持って人を識別しているのか?という問いかけが残ります。
とにかく実存の問題、さらには人間の内面の問いかけを提示しております。私はそのスタッフの豪華さに唖然としてみました。いい人材が使われてます。それも監督の人脈という才能でしょう。あとは多くは語りたくないとても良い映画です。
九州の炭鉱を舞台に描かれる不条理劇です。全編を不気味で不安な空気が包む映像は、後の“砂の女”で一気に昇華され、傑作として現在まで語り継がれる事になります。
砂の女、他人の顔、そしておとし穴と三作観ましたが、私はこのおとし穴がオススメです。
岸田今日子が官能的で、原作の雰囲気が再現できていたと思います。
内容の割にはお得な価格設定になっていると思います。
もしかしたら原作よりおもしろいかも!