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このサントラを買ったのは発売された当時ですが、
年末の掃除やら整理やらで出てきたので、作業用BGMとして久しぶりに全曲ストレートに聞きました。
泣きそうになりました。
いえ、堪えなければ泣いていたかもしれません。
前々世代のゲームのサントラのレビューなんて誰も見ないかもと思いつつも、レビューを書かせていただきます。
PS2のRPG「ワイルドアームズ アドヴァンスド３rd」のオリジナルサウンドトラック。Disk４枚組みの大ボリューム。スリーブケースはありませんが、ブックレット付き。
「ワイルドアームズ」は荒野と口笛のRPGとされ、ファンタジーと西部劇が融合した独特の世界観を持っています。
中でも３rdは西部劇色が特に強く、BGMの口笛率も高め。好きな映画のジャンルが西部劇なんてマイノリティの私には、うってつけの作品でした。
以下に私が好きな曲を中心に、幾つかピックアップしてご紹介させていただきます。
ＷＡシリーズを代表するボーカル曲と言えば、麻生かほ里女史の歌う「ワイルドアームズ ２ndイグニッション」のオープニング曲「どんなときでも、ひとりじゃない」が挙げられますが、
こちらもそれに劣らない名ボーカル曲。オープニングアニメーションと共に流れる、同じく麻生女史が歌う「Advanced Wind」。歌詞は１番･２番･英語バージョン･歌詞のない口笛バージョンがあります。各Diskの始りはこの曲から。
Disk１
一番よく聞く曲だからと、特に気合いをいれて造られたとされる通常戦闘BGM「5.ガンメタルアクション」は長く聞いても何度聞いても飽きがこない。
ボスバトル曲「11.血も涙も、荒野で乾いてゆけ」は段々と激しくなっていくメロディもカッコいいけどタイトルもカッコいい。ちなみに荒野と書いてここと読みます。
Disk２
口笛が荒野に響き渡るようなフィールド曲「2.渡り鳥無頼」は、朝焼け時や黄昏時に乗り物を走らせながら聞くと涙腺に大打撃。
ギャグシーンで流れる「12.舞台はミスキャストでいっぱい」は曲に合わせてズッコケそうになる。ﾃﾚﾚｯﾃｯﾃｰ･･･ｽﾞｺｯ!
ライバルにしてコメディリリーフ担当のシュレディンガー一家のテーマ曲「13.あれがウワサの･･･ｯ!?」は続けて彼女らとの戦闘BGM「14.その名も、シュレディンガー一家」に繋がり、タイトルも繋がる。
Disk３
ロマサガの「下水道」が世界一カッコいい下水道の曲なら、こちらは世界一カッコいい研究所の曲「3.FATE BREAKER」。和訳は運命を壊すものか。その名の通りの勇ましい曲調が歩みに力をもたらす。※研究所以外でも流れます。
Disk４
驚異の10形態連続での戦闘となるラストボス、ネガ･ファルガイアとのバトル曲「14.終焉(おわり)の原初(はじまり)」～「19.原初(はじまり)の終焉(おわり)」は各形態ごとの特色をバラエティ豊かに表現する。
そして、数々のシーンと共に流れるエンディング曲。麻生女史の歌い上げる「22.Ｗings」で長かった物語の終わりを惜しみつつ締め括る・・。
サントラの曲順は大体ストーリーの進行に合わせた構成になっている事が多いですが、中でも特に素晴らしいと感じた構成部分が２ヶ所。
一つ目はDisk２のラスト５曲。第１章終盤を思わせる19～23。
「19.うつむけば絶望、見上げれば希望」は１章のカ･ディンギル、２章のニーズヘッグパス等、各章の山場となるダンジョンで流れ、その山場を盛り上げる。
続く「20.心臓に流れる折れた針」で激しいプレッシャーを感じた後は、
主人公ヴァージニアが渡り鳥としての決意表明をする大見せ場で流れる、このサントラの中で私が一番好きな、彼女のテーマ曲「21.Ready!Lady Gunner!!」で一気に抑圧が開放され、
名バトル曲「22.クロスファイアシークエンス」で気持ちが最高潮に高まり、
ゲーム中断時に流れるボーカル曲「23.夜空しか知らない」でしっとりと締める。
もう一つはDisk３の13～17。こちらは第３章の終盤。
ヴァージニア達の仲間にして空飛ぶ乗り物、竜機ロンバルディア搭乗時の「13.蒼穹に閃く刃」はどこまでも高く飛んでいけそうな爽快さ。
始りのヒトの船デウス･エクス･マキナ内部の「14.この重さは命の重さ、この意味は生きる意味」は奥へ奥へと進む緊張感を徐々に激しくあおる。
仲間の一人、ジェットの出生に関わる重要なイベントで流れる「15.掌からこぼれおちて」は、ストリングの旋律が哀愁を誘う。これもかなり好きなんですが、流れる場面が少ないのが惜しまれる。
ＷＡファンにはお馴染みの蒼の騎士ジークフリードとの決戦、並びにドラグナージークとの空中戦でのバトル曲 「16. the Lance of PALERIDER」でたっぷり威圧された後は、
Ready!Lady Gunner!!のバラード調アレンジ「17.夕映えを背に歩き出そう」で激闘の余韻を噛み締める。
この２部分は神憑りと言っても過言ではない。
他にも語り尽くせない名曲ばかり。
イベント、タウン、ダンジョン、バトルで流れる曲、そのどれもが全部が全部大好き。
今でも気が付けば鼻歌で口ずさんでいる事があります。
ＷＡ３rdのテーマは想い出。
そしてキャッチフレーズは
それはきっと、いつか「想い出」になる物語。
16年前の自分に、遠いいつかに、想い出になったよと伝えたい。
当時の少ないおこづかいでも購入を全く躊躇わなかった。
今までに様々な映画･ドラマ･アニメ･ゲームのサントラを聞いてきましたが、
嘘偽りなく私の中で最高のサントラです。
それは絶対に絶対です。
近年では某急に歌うアニメや、某おっさんＫの仕業でワイルドアームズシリーズが少なからず再注目されているのではないかと思います。きっかけはどうあれ、ワイルドアームズシリーズや、ひいてはその音楽を好きになっていただけると一ファンとして嬉しいです。
長くなりましたが、最後に、
素晴らしい曲と歌を産み出してくださったなるけみちこさん、麻生かほ里さん、両女史に感謝を。
このまま立ち止まるより。見上げた空の高さにあきらめるより。
過ぎた時は運命でも。明日は誰も知らない。抗う事はまだできるはず。
「Advanced Wind」２番の歌詞の一部です。この歌詞から、また明日からも仕事がんばるぞ。と勇気をもらい、
口笛イン・・・・。
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