このCDの映像化ともいうべき、最近のDVD、
『クィーン ライヴ アット・ザレインボー ’74』に封入されている
解説書によれば、かの「戦慄の王女」という邦題は、
ワーナー・パイオニアのQUEEN担当ディレクターだった加藤正文氏が
命名したそうだ。
QUEENは、女王、つまりは、女性の王様なのに、なぜ、王の娘、
すなわち、PRINCESSを意味する「王女」としたのか。
それは、当時、日本で「女王」扱いされていた、スージー・クワトロ
の存在感を意識して、QUEEN(女王)との混在を避けようとしたから、
という説がある。つまり、QUEENを「王女」呼ばわりしたのは、
誤訳ではなかったというのだ。
そんな細かいことなんて、どうでもよくなるほど、このアルバムは、
初期のQUEENが、ハードロックのバンドとして飛び立った新星だった
ことを証明する、華々しい作品集になっている。
QUEENの4人は皆、プロ意識の高い、全力投球型の芸術家肌。
お互いを尊敬しあいながら、各自の得意なことを思いっ切り、
やり遂げようと、一所懸命になっている姿が、まぶしいほど、
輝いているのだ。
この『女王凱旋!~戦慄のライヴ』と題されたCDは、
まもなく、世界中での名声を手にすることになる彼らの
はじけるような、ウォーミングアップ・ミュージックとして、
当時の感動をよみがえらせてくれる。
ジャケットの写真も、若々しいメンバーの姿を収めた
いわば、「アルバムの1ページ」になっている。
QUEENは、やっぱり、「女王」なのだ!