「芸能山城組」も30周年を迎えられたそうです。私の学生時代は、合唱団ハトの会と言っていましたが、その後インドネシアのケチャで有名になり、日本にブルガリアン・ヴォイスを取りいれた合唱を最初に紹介した団体でもあります。組頭の山城祥二さんも先年古稀を迎え、本業の学者としても立派な業績を残されています。
この「輪廻交響楽」は、1986年の発売ですから、もう20年近く前になるのですね。最初に聴いた時は本当に驚きました。従来の「合唱」のイメージとは全く別の音楽形態です。シアターピースでもありませんので、ジャンル分けは難しいですね。
オーディオチェック用として、故長岡鉄男さんが自作スピーカーの「スワン」の能力を測るのにこのCDをよく持ちいてられましたね。とにかく冒頭の女声合唱がぐるぐる廻るあたりの再現はなかなか難しいものがあります。
本当に久しぶりに、芸能山城組の輪廻交響楽を聞いてみました。「宇宙的世界観」というものを、合唱(トーンクラスター)を用いて表現しています。現代音楽の一種でもありますが、時には、声明のようでもあるし、バリ島の民族音楽のようでもあります。不思議なサウンドとしか言いようがありませんね。
20年経ってもその音楽的偉業の価値は色あせていません。