1971年生まれの私にとって、ガンズ&ローゼズは多感な時期に最ものめり込んだバンドの一つであった。今聞き返しても彼等のファーストはスリリングかつ問答無用にカッコよく、特にボーカルのアクセル・ローズの才能の迸りは眩しい程である。
本作はそのファースト前後に発表された音源を纏めたもので、アルバム未発表曲、ライブ音源が売りであった。
今改めて久しぶりにこの音源を聞き返しているが鮮度が全く落ちていないどころか、類型化を拒否しながらこれ程スタイリッシュにロックンロール出来るバンドは今現在もいないのではないか、と愕然としてしまった。
彼等のオリジナルとしては屈指の疾走感を誇る②や同様にパンキッシュに爆走するAC/DCのカバーのライブ⑤を聞けばその理由が分かるし、ボブ・ディランのカバーのライブ④も後のスタジオ・バージョンよりずっとロックンロールしている。
彼等のアーティスティックな全盛期は自主制作のEPを出した86年から「GN'R LIES」を出した88年位までと短かったが、その密度の濃さは特筆すべきものがあったと思う。
88年の初来日公演を見られた私は本当に幸運だった。