「白い花びら」
白黒の映像の、ハイすぎるコントラストの男と女の無表情な表情がすごい。かわいいワンコも出てくる。
「愛しのタチアナ」
アラフォー二人の独身男。どう贔屓目にみてもモテそうに無い。
仕立て屋で珈琲中毒のヴァルト(マト・ヴァルトネン)はいつも手が震えている。ラップランド出身で車の整備工のレイノ(マッティ・ペロンパー)はウオッカをラッパ飲み。酔わないとまともに話ができない。
そんな二人がドライブに出かけ、その途中、故郷に帰ろうしている二人の女性に出会う。こちらの二人は逆にしっかりし過ぎ。その四人の間に繰り広げられる数日間の出来事。
クラウディア(キルシ・テュッキュライネン)は「フィンランドの男ってバカみたい」と呆れ、カメラが趣味のタチアナ(カティ・オウティネン)は、みんなで記念写真を撮ろうと言いながら、好きなレイノだけを写したりする。そのちゃっかりさが可笑しい。
それぞれ白黒の60分程の中に、人間の悲しみや孤独や愛、絶望や笑いが、静かに優しく目一杯に詰め込まれている。BGMも最高。