リリイ・シュシュのすべて 特別版 [DVD]
フォーマット | 色, ドルビー |
コントリビュータ | 岩井俊二, 郭智博, 市原隼人, 忍成修吾, 伊藤歩, 五十畑迅人, 勝地涼, 蒼井優 |
言語 | 日本語 |
稼働時間 | 3 時間 54 分 |
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
商品の説明
Amazonより
ある地方都市、中学2年生の雄一(市原隼人)は、かつての親友だった星野(忍成修吾)やその仲間たちからイジメを受けるようになる。そんな彼の唯一の救いはカリスマ的女性シンガー、リリイ・シュシュの歌だけであり、そのファンサイトを運営する彼は、いつしかネット上でひとりの人物と心を通わしていくが…。
岩井俊二監督が、インターネットのインタラクティヴ・ノベルとしてスタートさせた企画を発展させて成立させた異色の青春映画。美しい田園風景の中、イジメや援助交際などなど現代の少年少女たちにまつわるさまざまなダークな問題を、これまでにないほど身近なものとして織り込みつつ、彼らのリアルな心の声を繊細に描き上げていく。そして、それでも「どんな子どもでも、光る時間を過ごすのだ」といった岩井監督のメッセージが痛切に伝わり、胸をしめつける必見の秀作である。(的田也寸志)
レビュー
田舎の中学生のイジメ、レイプ、援交、犯罪……と昼のメロドラマなみに痛いカードがどどんと続く話。だけど、健気な主人公が不幸になるからハマってしまう昼メロのエンタテインメント性は皆無。主人公は頑張んないし、弱者で、ただひたすらに不幸。ホントに救いがない。そんな現実からの逃避として子供たちがネットで“リリィ・シュシュ”というディーバについて語り合うのだが、これまたオタクもろ出しに暗くて、狭くて、湿ってる。ここまで暗いとアザトサを感じてなんだか反発したくなるけど、それ以上に吸引力がものすごい。場面のひとつひとつが脳細胞に染みついてしまう。絶望の連続なのに観終えるとなぜか気持ちが透明になる不思議な作品。 (永田みゆき) --- 2002年08月号 -- 内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)
監督・脚本: 岩井俊二 撮影: 篠田昇 音楽: 小林武史 出演: 市原隼人/忍成修吾/蒼井優/伊藤歩/大沢たかお/稲森いずみ/市川実和子
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)
登録情報
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 言語 : 日本語
- 梱包サイズ : 21 x 14.6 x 4.6 cm; 322 g
- EAN : 4521458002058
- 監督 : 岩井俊二
- メディア形式 : 色, ドルビー
- 時間 : 3 時間 54 分
- 発売日 : 2002/6/28
- 出演 : 市原隼人, 忍成修吾, 蒼井優, 伊藤歩, 勝地涼
- 言語 : 日本語 (Dolby Digital 5.1)
- 販売元 : ビクターエンタテインメント
- ASIN : B000066FWU
- ディスク枚数 : 2
- Amazon 売れ筋ランキング: - 81,086位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
殺人以外は私の中高時代に全て自分か身の回りの人間に起きたことが取り上げられているので、とても懐かしい感じすら覚えました。
ひたすら美しい田園風景が更に心をなぎ倒して引き裂いていくのが何とも言えない。
パッケージも綺麗なものが届いたので満足です。
大人から見ると何事もない、
ごくありふれた穏やかな日常でしかない様に見える。
しかし、思春期のこの子たちにとっては、どうだろうか?
自分のか弱さに抗うかのように攻撃的になる者、
自分のか弱さを身を屈めて守る者、
その中間で、責められている者を、
嘲笑いながらも、か弱い自分の安全な場所を必死にさがす者・・・
成長期のホルモンがそうさせるのか?
覚えたての性欲のはけ口に苛立つからなのか?
とても野蛮で残酷で、まるで思春期の下着の中を
ぶちまけた様な途轍もなくグロテスクな映画である。
いじめ、恐喝、万引き、援助交際、レイプ、殺人、自殺を盛り込んで「14歳のリアル」と銘打ったこの岩井俊二監督の問題作の
封切り当時の評判はプロの評論家から平場の映画好きまで巻き込んでの賛否両論真っ二つ(キネマ旬報ベストテン7位/映画芸術ワーストテン2位)
ワーストに上げる人は嗜好の問題だから脇に置くとしても「名作の誉れ高くー」という評価にも違和感を覚える コレ、名作か? 根強いファンならいる 昔からずっといる 俺もその一人だ だが名作だからか? 違うだろう 岩井俊二の傑作なら「花とアリス」や「スワロウテイル」の方が完成度では上だ 近作の「リップヴァンウィンクルの花嫁」もこの作品よりもずっと良作だ ジュブナイル物の名作なら他にいくらでもある 「台風クラブ」とか「桜の園」とか 「時をかける少女」や「キッズ・リターン」もそうだ 最近なら「桐島、部活やめるってよ」もいい作品だった では何故コレなんだ どうしてコレが頭一つ抜けた名作判断になるんだ
劇場へ観に行った時から気になっているところがある 観客がどう贔屓目に見ても「若者」ではない 俺だって観に行った時はとっくに十代ではない 凡庸なただの一社会人だった そもそも作ったのはオッサンだ 岩井俊二(14さい)が撮ったんじゃない
コレは過ぎ去りし日々に、それも実際には無かったけどあったかもしれないハードコアな青春賛歌だ 間違いなくノスタルジアのオブラートでメンタルバリアされているからこその名作判断 賭けてもいい この映画をいい映画だと判断できるのは、あそこまですさまじく荒廃した学園生活を送ってない人達だ 俺と同じように多感な季節に退屈な日常しかなかったタイプのただの映画好きだ
「今の中高生こそこの映画を見て欲しい」なんて言説は当時からあったが無理言うなよと 多感な十代の内にこんなもん見ちゃったら感性の複雑骨折で一生ダメ人間になっちまうだろうが 十代で何も感じなかったらそれはそれで斜に構え過ぎだろう
この映画が好きだと即答する人は正直ダメなやつだと思ってます しかしこの映画を無価値だと断ずる人とは一生関わり合いになれません
だから俺はダメな人間なんだな
この作品が公開された翌年に中学に上がった身としては、2000年代初頭の微妙な空気感が妙に懐かしかったです。
(冒頭のバスジャックのニュースなんか、もろ佐賀県って言ってますもんね笑)
それにしても一枚の音楽アルバムをヘッドフォン付けて聴くという行為が珍しくなった今、若い世代が本作を観てどういう評価下すんだろうと少し気になります。
イントロすっ飛ばしたり、サビだけ聴いたりが当たり前らしいからなぁZ世代は…
自らに降りかかった不幸を恨み、他者へ鬱憤の矛先を向けた陰湿で凄惨な行為によって
踏み躙られ奪われる青春と一生、消えない傷を負う者達
苦しみを共にする者が、ひたすら苦しみ続け‥居なくなる…
耐え続けていた少年が、生きることへの支えにしていた僅かながらに唯一の存在さえ、奪おうとする限りなく苦しみを与え続ける者に下されるべき裁きは‥
少年少女たちにとって【リリイ】とは、
まるで女神のように目に映る存在なのか?
同じ時空を生きる人間に違いはないのは勿論とありつつ、眼を背けたい現実とは別次元の雲の上にいて欲しい存在なのか?
苦しみから逃れたい一心、と願いから救いを求め、彼女が発する波動のようなものに、ずっと触れていたい
他に何処に救いを求めたらいい…
誰にも胸の内を開かせずに、本心を曝け出せない彼等の置かれた心境を思うだけで、息苦しく生き地獄を生きる事の苦しみに、此方は無力に傍観して【リリイ】以前に手の届くこともなく、何もできることもない虚無を感じながら胸を締め付けられる…
どうか善良な少年を守り、悪しき歪みを持った少年の心根から受けた多くの苦渋を解放させる救いとなって欲しいと、願わずには報われないリアルな感触を抱く岩井俊二作品のなかでも、暗部を描いた鮮明な映像質感による鑑賞体験は以降、半年以上は頭からストーリーが離れない強烈な印象を受け、残した作品であった。
それがスピルバーグ監督の「プライベートライアン」冒頭の戦闘シーンのように、「今そで起きている」感を作り上げている。
言葉で表現すると陳腐だが、邦画ではナンバーワン好きな作品です。