当時中学生になったばかりのわたしが、初めてお金をためて発売日に購入したゲームです。キャラクターデザインを手がけている田島直さんのイラストが好きで好きで、発売日が待ち遠しくてたまらず、プレイしはじめたときはどきどきでした。
マルチタイムザッピングシステムという過去・現代・未来を行き来して物語を進めるスタイルもとても楽しかったですし、RPGが主流だった当事としてはPSでアドベンチャーゲームができるのはなんとも斬新でした。恋愛要素があるゲームもギャルゲーもプレイした事のなかったわたしには、女の子の胸や尻を強調したイラストやキスシーンなどが画面にどどんと出るのが恥ずかしくて、もじもじしながらプレイしていたのですが(家族のいる前なので)、新鮮な体験でした。
それから月日を経て、三十路すぎてからなら、この物語をどう感じるだろう?そう思い、最近再プレイを始めました。いや~面白い!!ぐいぐい引き込まれる展開、先の気になるシナリオ。はっきりとキャラ立ちした魅力的なキャラクターたち。軽快な会話。気づけば三つの世界観にどっぷり浸かっています。
初見プレイの頃とはだいぶ感じ方が変わっていました。当時はRPGでこの作品が出ていたらもっと好きだったのに、物足りない、という思いもあったのですが、今色々なゲームをしてきてからプレイしてみて感じるのは、システムがシンプルながら楽しいということ。行き先にいくつかの矢印がでていて、その方角へ方向キーを押すことでかちかち場面が切り替わり進んでいくスタイルのアドベンチャーなのですが、しっかりアドベンチャーしてるところがとてもいいですね。あっちにいったりこっちにいったり。アイテムを手に入れたり、アイテムを使った謎解きなども用意されていて飽きないのです。
RPGから突然このゲームをプレイすると、システムの違いから物足りなさを感じるかもしれませんが、よく練られたシステムだったんだな、と今では思います。一方で、やはりどのキャラクターも魅力的だから仲間にしたくなるゲームだったなと。RPGだったらもっと広い層に好かれてたんじゃないかなとは思う気持ちは変わらないし、ザザンやリリーヌを倒してみたかった、とも思います。でも、それだと田島さんの豊富なイラストを眺めつつ謎解きもして冒険する、なんてできなかったと思うので、このアドベンチャーシステムが一番適しているのだと思います。
今では絵も古いかもしれない。ゲーム画面の絵のクオリティは最近の美麗でなめらかなイラストとは比べられない。当時すらコアゲーなので、今購入を考えている人がどれだけいるかもわからないのですが、わたしはこのゲーム推します。パッケージの魅力に惹かれた人は、絶対損しないので買ってみてほしいです。
シナリオは大人向けライトノベルのような感じで、ちょっと熱い。恋愛要素はおまけ程度のものですが、なんだかときめきました。曲も耳に残るものが多くていい曲ですよ。