エリザベス女王の寵愛を受けた貴公子オルランド(原作ではオーランドー)が、「老いてはならぬ」と言われたために不老の身となり。原作では1920年代まで、映画では1990年代?まで、悩みつつも前向きに「人生」とは、「愛」とは何かを探し求める物語です。
(レンタルの)ビデオのパッケージ+主人公オルランドをティルダ・スウィントンが男装して演じているということで、ちょっと官能歴史ロマンかと疑ってしまいそうですが、全くそんなことはありません。
主人公オルランドの気質か(顔は良いし、お馬鹿さんというわけでもないのでしょうが、ちょっと現実より斜め上を向いて生きています。タロット・カードの「愚者」っぽい)、大変淡々…というより、たんたかたん というリズムと雰囲気で物語が進みます。
文学や自然、途中女性に変化することでフェミニズムやジェンダーに対する視点も取り入れつつ(ただし、設定年代もあるので、「問題視」とまではいきません)、ティルダ・スウィントンの可愛さと、各時代の英国貴族の生活という画の美しさが堪能できます。(あんまり可愛くて、このティルダ・スウィントンが『エドワードⅡ』のイザベラ王妃であるところのティルダ・スウィントンだと気付いた時にはひっくり返りました)
自分の人生の意味には悩むけれど、それ以外には無頓着な映画のオルランド。時代は目まぐるしく変わりますが、自然すぎて少々間延びを感じたり。
が、巡り巡って最終章、なんだかとても爽やかな気分になったのでした。
なお、ヴァージニア・ウルフの原作『オーランドー』の方は大変細やかにオルランドの心情?を描写しているので、少々癖のある文体ですが、こちらもオススメします。(個人的に、エンディングは映画、女性化した後のオーランドーの心情―ジェンダーへの考察を含め―は原作の方がより好きです)
オルランド 特別版 [DVD]
¥4,980 ¥4,980 税込
フォーマット | 色, ドルビー, ワイドスクリーン |
コントリビュータ | シャーロット・バランドレイ, ティルダ・スウィントン, サリー・ポッター, クウェンティン・クリスプ |
言語 | 英語 |
稼働時間 | 1 時間 34 分 |
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商品の説明
レビュー
監督・脚本・音楽: サリー・ポッター 原作: ヴァージニア・ウルフ 撮影: アレクセイ・ロジオーノフ 出演: ティルダ・スウィントン/クウェンティン・クリスプ/シャーロット・バランドレイ
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)
登録情報
- アスペクト比 : 1.78:1
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 言語 : 英語
- 梱包サイズ : 18.03 x 13.76 x 1.48 cm; 83.16 g
- EAN : 4988126201227
- 監督 : サリー・ポッター
- メディア形式 : 色, ドルビー, ワイドスクリーン
- 時間 : 1 時間 34 分
- 発売日 : 2002/8/23
- 出演 : ティルダ・スウィントン, クウェンティン・クリスプ, シャーロット・バランドレイ
- 字幕: : 日本語, 英語
- 言語 : 英語 (Dolby Digital 2.0 Stereo)
- 販売元 : パイオニアLDC
- ASIN : B00006AUTL
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 77,928位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 670位外国のファンタジー映画
- - 7,185位外国のドラマ映画
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年3月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
公開時に映画館で見て、今回、友人に見せたくて購入。レンタル落ちですが、比較的きれいです。ウルフの原作とは結末等、やや違いもありますが、ウルフの精神は生きています。若い友人に見せたら、男性にも女性にも見える主人公がいい、と言ってました。
2010年1月11日に日本でレビュー済み
16世紀末、エリザベスI世の寵愛を受けて、不老不死を誓った青年貴族オルランドの、5つの世紀をまたがる時間旅行の物語。終生の友の契りを結んだ、大使として赴任した先の東洋の王に死なれ、昏睡に陥って目覚めたら、百年の歳月が過ぎさり、しかも女性になっているという驚くべき展開もある。より自由に力強く生きる姿に、現代人のあるべき姿を模索しているともとれる。
この作品は、性だけでなく、時間さえも超えてしまうオルランド。正直なところ、僕は見ていてどんどん良く分からない世界に入って行ってしまう感覚を覚えました。ただ、英国の風景はどの場面も素晴らしいです。
簡単な解説にも書いていて確かにそうだなって思ったのは、現代人のあるべき姿を描いているということです。男性から女性に変わっただけで人間的な中身の部分は何も変わっていないのに領地を取り上げられる世界。ですが、そんな彼(彼女)が後半は生き生きと躍動している姿を見て気持ちよかったです。
この作品は、性だけでなく、時間さえも超えてしまうオルランド。正直なところ、僕は見ていてどんどん良く分からない世界に入って行ってしまう感覚を覚えました。ただ、英国の風景はどの場面も素晴らしいです。
簡単な解説にも書いていて確かにそうだなって思ったのは、現代人のあるべき姿を描いているということです。男性から女性に変わっただけで人間的な中身の部分は何も変わっていないのに領地を取り上げられる世界。ですが、そんな彼(彼女)が後半は生き生きと躍動している姿を見て気持ちよかったです。
2012年7月4日に日本でレビュー済み
バージニア・ウルフの奇想天外な小説の映画化。
大学の図書館には入れてもらえなかったというので、先生がネットで取り寄せたのを、個人的に借りて来た。それで、どんな場面があるのか、興味津々だった。
出てきたのは、姿見の前に立つヒロインの、5秒ほどのヌード姿、ただそれだけである。
16世紀末、エリザベス女王から、”老いてはならぬ。”と言われ、400年を放浪した?生き抜いた?「オルランド」。
「男子の相続者を産まなければ、財産は没収される。」
「私は結局、この世紀の精神に負けたのよ。男には選択肢がある。」
「財産のない孤独な老嬢で死ぬのか。」
「僕が男なら子供を育てて、自分を犠牲にするのはご免だ。孫の世話も、女らしさの中で個性を失うのもご免だ。」
男性から女性に変身した「オルランド」のこんなセリフや財産訴訟が、昨今のフェミニズムやジェンダー問題の文学的題材となっている。
添付パンフの解説によると、バルザックの『セラフィータ』と並んで、両性具有文学の傑作だそうである。
また、アメリカは、自由な理想の地として描かれている。
原作ではコンスタンチノーブルとなっているが、撮影の多くはウズベキスタンで行われた。
付録に50分のメイキングがついているが、本編よりむしろ、そちらの方が面白いかも知れない。
それぞれのスタッフが撮影中の秘話や、この映画にかける個々の思いを吐露している。
監督は女性で、脚本・音楽もこなしている。
原作を読んでから30年。安い予算でいい映画を作り上げるため、色々と苦労があったようだ。
ヒロイン役の女優の表情が何とも乏しい。顔の上半分が、能面を見ているようである_(_^_)_
字幕は戸田奈津子。
大学の図書館には入れてもらえなかったというので、先生がネットで取り寄せたのを、個人的に借りて来た。それで、どんな場面があるのか、興味津々だった。
出てきたのは、姿見の前に立つヒロインの、5秒ほどのヌード姿、ただそれだけである。
16世紀末、エリザベス女王から、”老いてはならぬ。”と言われ、400年を放浪した?生き抜いた?「オルランド」。
「男子の相続者を産まなければ、財産は没収される。」
「私は結局、この世紀の精神に負けたのよ。男には選択肢がある。」
「財産のない孤独な老嬢で死ぬのか。」
「僕が男なら子供を育てて、自分を犠牲にするのはご免だ。孫の世話も、女らしさの中で個性を失うのもご免だ。」
男性から女性に変身した「オルランド」のこんなセリフや財産訴訟が、昨今のフェミニズムやジェンダー問題の文学的題材となっている。
添付パンフの解説によると、バルザックの『セラフィータ』と並んで、両性具有文学の傑作だそうである。
また、アメリカは、自由な理想の地として描かれている。
原作ではコンスタンチノーブルとなっているが、撮影の多くはウズベキスタンで行われた。
付録に50分のメイキングがついているが、本編よりむしろ、そちらの方が面白いかも知れない。
それぞれのスタッフが撮影中の秘話や、この映画にかける個々の思いを吐露している。
監督は女性で、脚本・音楽もこなしている。
原作を読んでから30年。安い予算でいい映画を作り上げるため、色々と苦労があったようだ。
ヒロイン役の女優の表情が何とも乏しい。顔の上半分が、能面を見ているようである_(_^_)_
字幕は戸田奈津子。
2006年1月2日に日本でレビュー済み
同性愛が法律上禁止されていた時代に作られた原作を、今の時代の関心から読み解いた場合の誠実な再解釈がここには提示されています。と同時に、この監督とこの女優がいなければこのような形では作られなかった作品でしょう。それくらい丁寧に作られています。それも信じられないほどの低予算で。しかし、シーンは流れるようには進みません。また主人公が通り過ぎていくさまざまな時代の特徴の戯画化が繰り返されますが、イギリスの歴史と文学史に詳しくなければ、その意味するところは皮相的にしか理解できません。でも映画は、私のような素人にもその原作のイメージの一端は伝えてくれます。映画は、原作にはない現代のロンドンまでその話を進めていきますが、エンディングは視聴者の自由な想像力を要求します。繰り返しの視聴に耐えうる作品です。
2017年12月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ファンである娘のプレゼントに買いました。衣装が素敵で、表情もたまらないですね。とても喜んでくれました。
2016年9月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とてもきれいな状態で届きました。梱包も丁寧です。連絡メールも細やかでした。有難うございました!
2014年7月26日に日本でレビュー済み
『めぐりあう時間たち』でニコール・キッドマンが演じた
バージニア・ウルフの原作を女性監督サリー・ポッターが映画化。
エリザベス一世から直々にガーター勲章を足に嵌めてもらうほど
寵愛されたイングランドの青年貴族オルランドが、
16世紀から20世紀の現代まで老いることなく生き続け、
その間男性から女性に変身してしまうという奇想天外なストーリー。
過去と未来、男と女、生と死、地球と宇宙。
すべての境界から開放されたいと望むバージニア・ウルフの意識を
具現化したオルランドがラストに見る天使は、
この小説執筆から13年後に入水自殺したバージニア・ウルフの
前には、最後まで現れることはなかったようだ。
今年のアカデミー賞で助演女優賞を受賞したティルダ・スウィントンの
好演と、グリーナウェイ組の美術が見事。
バージニア・ウルフの原作を女性監督サリー・ポッターが映画化。
エリザベス一世から直々にガーター勲章を足に嵌めてもらうほど
寵愛されたイングランドの青年貴族オルランドが、
16世紀から20世紀の現代まで老いることなく生き続け、
その間男性から女性に変身してしまうという奇想天外なストーリー。
過去と未来、男と女、生と死、地球と宇宙。
すべての境界から開放されたいと望むバージニア・ウルフの意識を
具現化したオルランドがラストに見る天使は、
この小説執筆から13年後に入水自殺したバージニア・ウルフの
前には、最後まで現れることはなかったようだ。
今年のアカデミー賞で助演女優賞を受賞したティルダ・スウィントンの
好演と、グリーナウェイ組の美術が見事。