フォーマット | ワイドスクリーン |
コントリビュータ | セドリック・クラピッシュ, ギャランス・クラヴェル |
言語 | フランス語 |
稼働時間 | 1 時間 31 分 |
パリ、バスティーユ界隈に暮らすメイクアップアーティストのクロエ(ギャランス・クラヴェル)は、愛猫グリグリを近所に住む猫好きのマダム・ルネに預け、3年ぶりにバカンスを取る。ひとりぼっちの休暇を終えて帰ると、グリグリが行方不明に! なりふりかまわずグリグリを探すクロエに、ご近所の猫好きな老人たちやちょっととぼけた移民青年が手を貸して、大捜索が始まった。
愛猫を探すうちに、さまざまな年齢、職業、人種の人々が片寄せあうご近所ネットワークにかかわっていくクロエ。これまではただすれ違うだけだったお隣さんが、生きた人間としてかかわっていくうちに、頑ななクロエの心が柔らかくなっていく。気持ちが変わると、見えてくる風景が変わってくる。そんな心の動きを生き生きとしたパリの空気をと重ね合わせて活写していく。味のあるキャラのマダム・ルネは、実際に監督のガールフレンドの猫を行方不明にさせ張本人で、このことが本作の元になったとか。1996年、ベルリン国際映画祭国際批評家協会賞受賞作。(茂木直美)
もはやフランスを代表する映画監督の一人と言える、セドリック・クラピッシュのヒット作。必ずパーティ・ライフが描写される彼の作風にしては珍しく、ハレよりもケに重点をおいているのがかえって新鮮。猫は主人公の地味な女の子の依頼心の象徴となっていて、行方不明になった猫を探すことで彼女は徐々に世界を広げていく、それは自然と舞台のパリ11区の冒険譚になっていて、この地区の再開発と老人問題まで浮かび上がる仕掛け。ジャック・タチを思わせる省略術の巧妙さで、内省的でオフビートな話ながらも大笑いできたりして、その小粋さは大人のティー・タイム向け映画といった感じ。でもやっぱり、特典で付いている予告編の編集センスの良さがこの監督の本領な気も……。 (鷺沼晶良) --- 2002年11月号 -- 内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)
監督・脚本: セドリック・クラピッシュ 撮影: ブノワ・ドゥロム 出演: ギャランス・クラヴェル/ジヌディヌ・スアレム/オリヴィエ・ピィ
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)