ツインギター、ベース、ドラムから成るアセンズの4人組ポストロックバンドの2nd。彼らは自らの音を「instrumental U2」と評しているそう。Tr.1~3は、ゆったりと空気中に染み入るように鳴り響くギターサウンドとかなり分厚いベースラインが壮大な雰囲気を醸し出していて、劇的な変化はないものの横揺れの心地良い空間を生み出している。その空気がガラっと一変するのがTr.4"Keep It Gold"。パンキッシュなリフを性急に刻むギターから始まるこの曲は、それまでとは一変した攻撃的なサウンドを奏で、轟音ギターとともに一気に加速する。そして個人的にベストトラックなのが続く"Being A President Is Like Riding A Tiger"。ソロギターの緩やかな立ち上がりにドラムが入り、転調を繰り返しながら次第に加速。そして残り3分となった頃に登場する螺旋を描くようにメロディアスなベースラインがもうホント最高に気持ち良い!その全てを飲み込むように轟くディストーションギターの轟音とともに締めくくられるこの曲は、これ1曲だけのためにアルバム買ってもいいかなと思えるぐらいの高揚感が味わえる。個人的にはゆったりと聴かせるアルバム前半部よりも疾走感のある後半部のほうが好きです。