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世のOLたちは上司の強い要望で、いやいやカラオケのデュエットにつき合わされた経験を持つのではないだろうか。あの有名な歌をテーマにした、石原裕次郎と浅丘ルリ子による和製恋愛映画の古典である。
裕次郎扮する絵描き志望の青年・次郎は、青雲の志を抱いて東京にやってくる。同居している音楽家志望と励まし合いながらチャンスをうかがう。やがて久子と愛し合うようになった次郎は、彼女の希望で定職に就くことに。新宿駅で待ち合わせをするふたりだったが、久子が交通事故に遭ってしまう。数年後、記憶喪失となって再び次郎の前に現れる久子。かつての思い出を蘇らせようと奔走する次郎だが…。
よく練り込まれたシナリオ、東京の街のディテイルを捉えた撮影、哀愁を盛り上げる音楽。そして裕次郎、ルリ子の胸に迫る演技。メロドラマではあるものの、決して哀しみだけに溺れることなく、名もない青年の生き様をもきちんと描いているあたりが素晴らしい。見終わった後、あの歌詞の一字一句を噛みしめたくなる、男泣かせの名作。(斉藤守彦)
レビュー
監督: 蔵原惟繕 脚本: 山田信夫/熊井啓 撮影: 間宮義雄 音楽: 鏑木創 出演: 石原裕次郎/ジェリー藤尾/浅丘ルリ子
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)