レビュー
ゲテモノであることは百も承知。ただし、そこから独自の美学を生み出すかどうかが、スプラッタ・ホラーを手掛ける作家の腕の見せどころだ。その意味で、つくりものバレバレながら、目ン玉えぐったり、顔面溶解させることに骨身を砕くルチオ・フルチ監督は、悪夢の桃源郷をつくり出した傑物といえる。病人搬送カートの車輪のきしみ(これが後の違うシーンにインサートされる)、後頭部強打時のスイカが割れるような炸裂音など、聴覚刺激もたっぷり。悪魔の書によって地獄の門が開くというシナリオに新鮮味はないが、『ベルサイユのばら』のオスカル役カトリオーナ・マッコールほか、線病質気味の女優(少女から熟女まで)を配するセンスにも確かな才能を感じる。 (丸目蔵人) --- 2002年12月号 -- 内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)
監督: ルチオ・フルチ 出演: カトリオーナ・マッコール/デヴィッド・ウォーベック
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)