Amazonレビュー
ジミ・ヘンドリックスはイギリスへ渡ったのを機に出世階段を駆け上がった。そして1970年に再びイギリスへ戻り、ワイト島フェスティバルのメインアクトとしてほぼ2年ぶりにステージに立った。悲しむべきことに、それから3週間も経たないうちに彼はこの世を去り、これが大勢のファンの前に姿を見せた最後の機会となった。そのステージのはじめての完全収録盤が、2枚組の本作である。
本作は、この伝説のギタリストが上機嫌で、のちに『First Rays of the New Rising Sun』としてリリースされる(当初は遺作『The Cry of Love』としてリリースされた)セッションでレコーディングしたばかりの、それまで以上に幅広い音楽的志向を追求する姿をあますことなく聴かせてくれる。エクスペリエンスのドラムのミッチ・ミッチェルとバンド・オブ・ジプシーズのベースのビリー・コックスをバックに従え、ヘンドリックスは「Machine Gun」の即興の不協和音をはじめ、代表作のブルースナンバー「Red House」「Hey Joe」の別アレンジや、リズミカルなR&Bとジャズの要素を喜んで取り入れた「Dolly Dagger」「Ezy Rider」「Freedom」「Hey Baby」をプレイしている。プレイはときおり、とげとげしくなったり、トリオ編成の限界(死の直前には、ビッグバンドとの競演を考えていると公言していた)まで張りつめたりもしている。けれども、それにもかかわらず本作は音楽的好奇心を満たす情熱的な手がかりであり、初期の大げさな触れこみや名声を越えた、彼本来の音楽への意欲と可能性を聴くことができる。(Jerry McCulley, Amazon.com)
メディア掲載レビューほか
革新的なギター奏法で伝説となったギタリスト、ジミ・ヘン。死のわずか18日前である1970年8月30日`ワイト島ポップ・フェスティヴァル`出演時の熱演を演奏順に収録したライヴ・アルバム。「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」「マシン・ガン」他、全10曲を収録。 (C)RS