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ズート・シムズは1956年にジェリー・マリガン・グループの一員としてパリを訪れた。その際、リーダーの目を盗んでこっそり、ピアノのアンリ・ルノーを含む地元のミュージシャンと共演、デュクレテ・トムソン・レーベルに録音を行なった。それが本作。トランペットのジョン・アードレイはマリガン・グループでの同僚、リズム・セクションの3人はフランス勢という米仏混合セッションだ。昔から人気のある作品だが、その秘密はズートがもっとも真価を発揮するミディアム調の演奏が中心で、そのプレイが最高に素晴らしいから。一番の人気曲はクインシー・ジョーンズがライオネル・ハンプトン楽団時代に書いた<4>。これはワン・ホーン・カルテットによる演奏だが、哀感漂うプレイがなんとも心にしみる。スタンダード・バラードの<6>も深い情感をたたえていて胸に迫る。91年に初CD化された時は前日の4曲を追加した11曲入りだったが、本作はオリジナルLP通りの7曲入り、紙ジャケット仕様の完全限定盤だ。(市川正二)
メディア掲載レビューほか
“スーパー・ビット・ジャズ・クラシックス・シリーズ第3期”第1回発売分(全10タイトル)。24bitデジタル・リマスタリング。サックス奏者、ズート・シムズ他の演奏を収録したアルバム。 (C)RS