音楽としてのサンバが、いかに豊かなものか、
カルトーラの作品を聞けばわかると思う。
メロディアスなベースラインと小気味良い打楽器にのせて、
張りのあるカルトーラのボーカルと、透明感のある儚いコーラスが、
波のように交互に寄せる。
楽しく、明るく、でもどこか悲しく、、、
長い人生のなかで抽出されたいくつかの大事な感情を、
一つも捨てず、美しく並び変え、数分にまとめたような素敵な音楽です。
あぁこういうのがサンバなんだな、とわかります。
何の説明にもなっていませんが。
このアルバムは、日本ではより有名な「愛するマンゲイラ」に比べて、
リズムが速く、陰影の深い曲が多い気がします。
アルバム名でもある1曲目の「人生は風車」ですが、
「若者の人生をすり潰す象徴」としての、ミル的な働きをする風車のようです。
エキゾチックな比喩ですね。