世界的ノイズ・アーティストMERZBOWこと秋田昌美と、MEGOでお馴染みGESCOMのメンバーであるラッセル・ハズウェルという凄まじい組み合わせによる作品。2002年になんとWARPからリリースされた。
「サタンズトルネード」というユニット名もなかなかのものだが、ナイフの陳列が写っているだけでタイトルも何もないジャケットが凄い。音も同様で、シンプルだが凄まじく殺傷能力の高いノイズ・アルバムとなっている。秋田昌美によると、本アルバムのテーマは「ラップトップを使ったブラックメタル」とのこと。
全4曲を通してMERZBOW要素がかなり強い印象。得意のハーシュノイズではなく、どちらかというとスピード感のあるデジタルノイズが主で、冷たく無機質。それでも何故か2人が楽しんで電子音の応酬をしているような雰囲気もあり、いつものMERZBOWよりはリラックスしているようだ。対してハズウェルの方はMERZBOWの音を追従するようにノイズコラージュを炸裂させている。もっとも、エディットやマスタリングの方でハズウェルが活躍しているようだが。
このユニットでの音源は本作の他にAll Tomorrow's Partiesのコンピ盤に1曲入っているのみ。貴重。