本作収録作品中、「わるい仲間」(1963年)が特に好きです。
エリック・ロメール監督「シュザンヌの生き方」(1963年)、
「パリところどころ」(1965年)所収のジャン・ドューシェ監督
「サン=ジェルマン=デ=プレ」にも通じる、何とも軽やかで無責任、
でも魅力的なオトコ達。女性視点から観ると、ズルいし傍迷惑で
デート代全負担のダメダメタイプばかりなのに、可愛くて仕方ない。
「サンタクロースの眼は青い」(1966年)は比較的おとなしい
ストーリー作品でジャン=ピエール・レオのお好きな方には
オススメなのですが、なんといっても「不愉快な話」には驚愕。
内容よりも、フィクション編&ドキュメンタリ編という発案に
驚かされました。話し手がいて、質問したり感想を述べたりする
若干名の聴き手が登場しますが、この聴き手の顔ぶれの楽しさ!
「アリックスの写真」にもかなりびっくりさせられます。
最初に観たときは、自分の視力と聴力が遂に狂ったかと思った(笑)。
この不条理発想はもう、天才の悪戯という感じです。
出演者に息子のボリス・ユスターシュさん。とてもキュートです。
ユスターシュ監督が「最後のヌーヴェル・ヴァーグ」「誰よりも
ヌーヴェル・ヴァーグ的」と称されるのは、誰よりも熱心な諸先輩監督の
鑑賞者だったからだと思いますが、国内盤以外にも、何編もの短い作品
があるので日本版短編集作ってくれないかなあ。
もっと長生きして、ヌーヴェル・ヴァーグ全盛期に活躍した俳優さん、
女優さんの遺作は任せろ!的な監督さんにもなって頂きたかった。
所謂「ゴダール女優」だけでも良いから。カリーナさんまだ元気よ〜!
ミリアム・ルーセルさんはどうしてるのだろう?大好きでした…。