加賀まりこさんの魅力と危うさを引き立てる演技がやはりこの映画の肝という印象でした。
子供のような振る舞いの奥底に包まれた深い悲哀と、喜劇のようなコミカルな演出とサントラが絶妙な対比とバランスに繋がっていると感じます。ストーリーが進むにつれ幸せになってほしいと見るものに願わせてしまうものの、彼女の未来を示唆することないまま、読後感のあるラストへ。
他の方も言及されていますが、部分的にヌーヴェルバーグ的手法が取り入れられているのも面白いです。
例えば、無声映画時代のオマージュを挟んだり、映像の中にスチル写真を差し込んで凍りついた視線や空気感を表現するなど、実験的な映像表現もまた興味深い作品でした。
月曜日のユカ [DVD]
フォーマット | ワイドスクリーン, ドルビー, ブラック&ホワイト |
コントリビュータ | 中平康, 斎藤耕一, 加藤武, 倉本聰, 山本陽子, 北林谷栄, 加賀まりこ, 中尾彬 |
言語 | 日本語 |
稼働時間 | 1 時間 34 分 |
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
Amazonより
舞台は横浜。18歳のユカ(加賀まりこ)は、初老のパトロンと同世代の恋人を持ち、男を喜ばせるのが生きがいとばかりに誰にでも体を開くが、キスだけは決して許さない。そして、パトロンとの逢瀬はいつも月曜日…。
さまざまな伝説に包まれながら奔放に生きる女の姿を描いたドライで刹那的な青春ラブストーリーの秀作。若き日の加賀まりこが、まさに小悪魔と呼ぶにふさわしい愛らしくもキュートな魅力を、シネスコの画面いっぱいにふりまいていて、彼女の代表作の1本。監督はクールなモダン派・中平康。大胆な構図や照明、編集効果による不可思議な映像センスが素晴らしい。脚本には後の映画監督・斎藤耕一と、『北の国から』で知られる倉本聰が名を連ねている。(的田也寸志)
レビュー
監督: 中平康 原作: 安川実 脚本: 斎藤耕一/倉本聰 音楽: 黛敏郎 出演: 加賀まりこ/中尾彬/加藤武/北林谷栄/山本陽子
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)
登録情報
- アスペクト比 : 2.35:1
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 言語 : 日本語
- EAN : 4988103600470
- 監督 : 中平康
- メディア形式 : ワイドスクリーン, ドルビー, ブラック&ホワイト
- 時間 : 1 時間 34 分
- 発売日 : 2002/11/22
- 出演 : 加賀まりこ, 中尾彬, 加藤武, 北林谷栄, 山本陽子
- 言語 : 日本語 (Mono)
- 販売元 : 日活
- ASIN : B00006YXRX
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 54,275位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 485位日本のラブロマンス映画
- - 517位日本の青春映画
- - 2,721位日本のドラマ映画
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2023年11月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2023年7月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ちょっと不思議な感じがする映画です。けっして,役者達が語る言葉数が多い饒舌型の映画ではないのに,いろいろな状況や問題を詰め込んだ感じがするある種の賑やかさを感じさせる不思議さ,そして,フツーの映画となんだか成分やその配分がかなり異なる化合物的な印象を強く残す不思議さ。
たしかにヌーベルバーグを意識しているのだろうけれど,たとえばトリュフォーなどのリリシズムとはちょっと違った意識的脱臼ぶりが奇妙に後を引く映画になっています。
加賀まりこは,主人公ユカのおバカな陽気な一面的笑顔の底に,ほんのわずかな機微を演じ分けており,ゾッとするほど巧い演技ができる女優だと思いました。自分のかわいらしくも端正な顔の魅力,自分の華奢な身体の魅力を知り尽くしながら,その自意識に溺れること無く,堂々と憑依的に演じきった加賀まりこに拍手喝采です。
たしかにヌーベルバーグを意識しているのだろうけれど,たとえばトリュフォーなどのリリシズムとはちょっと違った意識的脱臼ぶりが奇妙に後を引く映画になっています。
加賀まりこは,主人公ユカのおバカな陽気な一面的笑顔の底に,ほんのわずかな機微を演じ分けており,ゾッとするほど巧い演技ができる女優だと思いました。自分のかわいらしくも端正な顔の魅力,自分の華奢な身体の魅力を知り尽くしながら,その自意識に溺れること無く,堂々と憑依的に演じきった加賀まりこに拍手喝采です。
2023年7月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
主人公のユカは親子二代にわたって売春婦をしており、それしか世間のことは全く知らない。
知り合いの男たちは全員一度は寝ている。
それだけの関係だが、中尾彬演ずる旅行会社の若手社員の修だけは気の置けない仲だ。
修にとってのユカはビッチだろうが会いに行きたくなる存在です。
キスはしないという拘りに故飯島愛の小説プラトニック・セックスが浮かんだ。
読んではいないが、サブタイトルの”私の舌を入れさせて。神様お願い。…”で、察しはつくだろう。
しかし、この映画ではその経緯が描かれ、それとはちょっと違うニュアンスとしているが、
あくまで脚本上の設定で結局は同じでしょう。幼少期に母が米兵とキスしているところを目撃した。
たまたま居合わせた牧師がこの世で最も恐ろしいものだ。見てはならぬと諭す。
クリスチャンのユカはそれを忠実に守っているというB級映画。
加藤武演ずるパパが、ユカに商談がらみで船長と寝てほしいと懇願する。
しかし、あんなに拘っていたキスをされてしまった。ボディーオーケイ、キスノーと絶叫。
タマを取りに行った修は、返り討ちにあい犬死。事件として扱われず事故として処理された。
パパは波止場で踊るユカに海へ放り投げられるような格好となった。
沈みゆくパパを見守り、去ってゆくユカ…
加賀まりこだから成立する映画、適役だけどちょっとつまんなかったな。
声も透き通っていて踊る姿も可愛いが、役柄故に売春婦にしか見えない。
ユカの暮らす米軍ハウスやアメリカかぶれの演出、横浜の時代背景が描かれているところもあり、
他にも波多野憲演じたマジシャンなど見所がないわけでもありません。
ラストの街灯がノスタルジックな気分にさせます。
知り合いの男たちは全員一度は寝ている。
それだけの関係だが、中尾彬演ずる旅行会社の若手社員の修だけは気の置けない仲だ。
修にとってのユカはビッチだろうが会いに行きたくなる存在です。
キスはしないという拘りに故飯島愛の小説プラトニック・セックスが浮かんだ。
読んではいないが、サブタイトルの”私の舌を入れさせて。神様お願い。…”で、察しはつくだろう。
しかし、この映画ではその経緯が描かれ、それとはちょっと違うニュアンスとしているが、
あくまで脚本上の設定で結局は同じでしょう。幼少期に母が米兵とキスしているところを目撃した。
たまたま居合わせた牧師がこの世で最も恐ろしいものだ。見てはならぬと諭す。
クリスチャンのユカはそれを忠実に守っているというB級映画。
加藤武演ずるパパが、ユカに商談がらみで船長と寝てほしいと懇願する。
しかし、あんなに拘っていたキスをされてしまった。ボディーオーケイ、キスノーと絶叫。
タマを取りに行った修は、返り討ちにあい犬死。事件として扱われず事故として処理された。
パパは波止場で踊るユカに海へ放り投げられるような格好となった。
沈みゆくパパを見守り、去ってゆくユカ…
加賀まりこだから成立する映画、適役だけどちょっとつまんなかったな。
声も透き通っていて踊る姿も可愛いが、役柄故に売春婦にしか見えない。
ユカの暮らす米軍ハウスやアメリカかぶれの演出、横浜の時代背景が描かれているところもあり、
他にも波多野憲演じたマジシャンなど見所がないわけでもありません。
ラストの街灯がノスタルジックな気分にさせます。
2021年11月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
『いるよね、こういう子』って感じるところの多い作品でした。
誰かに必要とされたくて尽くしちゃう女の子が、結局その生き方では自分の求めているものなんて手に入れられなくて、傷つけて傷ついて周りが破滅していく物語です。
加賀まりこさんが美しすぎて内容が頭に入ってこなくて、2回見ました。
我が家もヒロインのユカと同じような家庭だったので、母と10代の自分の姿を重ねて、悲しくなりました(こんな美人に重なるような美女ではありませんでしたが…)
父性に飢えて、父親からの愛情を求めて、でもそんなのはどこに行っても何をしても手に入らなくて…。
愛を求めれば求めるほど、都合のいい女になっちゃうんですよね。
パパは結局パトロンのパパであって父親の代わりにはなってくれず、当たり前ですが実の娘のように愛してくれるわけではありません。
若い彼氏はユカの自身の肉体に関する独特な価値観を否定したいのに、ユカ本人にそれを上手く伝えて説得することができないのが、見ていてもどかしかったです。
ラストシーンが見事でした。ユカはパパの喜ぶ顔がみたくて船長のところに行ったのに、その喜ぶ顔すら見せてもらえず、ユカが助けてほしいときに助けてはくれず、それなのに自分は「ユカ助けてくれ」は都合がよすぎるんですよ。ラストシーンでのユカの選択が、父性を求めることへの諦め(自立)を暗示しているならいいな…。と思いました。
邦画って『母の愛』や『母性』を題材にした映画は多くても、こんなにも『父性』を主題にした作品って珍しいな…と思いました。このテーマを、このストーリーで映画にしたのは時代の先取りのように感じ、驚きました。まるで00年代のケータイ小説のよう。そして最近のウェブ漫画のよう。
私事ですが、母の『献身的な女になりなさい』という呪縛から抜け出して結婚した20代の今このタイミングで見られて本当に良かったです。
誰かに必要とされたくて尽くしちゃう女の子が、結局その生き方では自分の求めているものなんて手に入れられなくて、傷つけて傷ついて周りが破滅していく物語です。
加賀まりこさんが美しすぎて内容が頭に入ってこなくて、2回見ました。
我が家もヒロインのユカと同じような家庭だったので、母と10代の自分の姿を重ねて、悲しくなりました(こんな美人に重なるような美女ではありませんでしたが…)
父性に飢えて、父親からの愛情を求めて、でもそんなのはどこに行っても何をしても手に入らなくて…。
愛を求めれば求めるほど、都合のいい女になっちゃうんですよね。
パパは結局パトロンのパパであって父親の代わりにはなってくれず、当たり前ですが実の娘のように愛してくれるわけではありません。
若い彼氏はユカの自身の肉体に関する独特な価値観を否定したいのに、ユカ本人にそれを上手く伝えて説得することができないのが、見ていてもどかしかったです。
ラストシーンが見事でした。ユカはパパの喜ぶ顔がみたくて船長のところに行ったのに、その喜ぶ顔すら見せてもらえず、ユカが助けてほしいときに助けてはくれず、それなのに自分は「ユカ助けてくれ」は都合がよすぎるんですよ。ラストシーンでのユカの選択が、父性を求めることへの諦め(自立)を暗示しているならいいな…。と思いました。
邦画って『母の愛』や『母性』を題材にした映画は多くても、こんなにも『父性』を主題にした作品って珍しいな…と思いました。このテーマを、このストーリーで映画にしたのは時代の先取りのように感じ、驚きました。まるで00年代のケータイ小説のよう。そして最近のウェブ漫画のよう。
私事ですが、母の『献身的な女になりなさい』という呪縛から抜け出して結婚した20代の今このタイミングで見られて本当に良かったです。
2021年11月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
1964年の作品で、18歳のユカを演じる加賀まりこさんがとてつもなく可愛い。
20歳くらいだったのかな・・
彼氏役の中尾彬も若くて今とは別人・・!可愛い青年だったのねと驚きました。
ユカはパパ(加藤武)の愛人をやっていて、キスはしないという決まり事はあるにせよ、彼氏やほかの男性とも関係を結んでいる。
この時代って、今よりもユカのような不思議系の女の子が流行ってたんじゃないかなと想像・・
クリスチャンでもある彼女は、誰にも等しく慈悲の心を持っている。
考えようによっては女神?のような生き方かもしれないけど、そんな風に生きるのは実は苦しいんじゃないかなって思う。
だから可愛さや明るさ弱さという鎧が必要なんだと感じる。
ピチカートファイブの「自由の女神」を思い出しました。
最後は意外な結末で、期待していた以上の作品でした。
20歳くらいだったのかな・・
彼氏役の中尾彬も若くて今とは別人・・!可愛い青年だったのねと驚きました。
ユカはパパ(加藤武)の愛人をやっていて、キスはしないという決まり事はあるにせよ、彼氏やほかの男性とも関係を結んでいる。
この時代って、今よりもユカのような不思議系の女の子が流行ってたんじゃないかなと想像・・
クリスチャンでもある彼女は、誰にも等しく慈悲の心を持っている。
考えようによっては女神?のような生き方かもしれないけど、そんな風に生きるのは実は苦しいんじゃないかなって思う。
だから可愛さや明るさ弱さという鎧が必要なんだと感じる。
ピチカートファイブの「自由の女神」を思い出しました。
最後は意外な結末で、期待していた以上の作品でした。
2021年2月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
60年代当時の洋画で沢山のスター女優が現れ、その魅力が詰まった映画が多く作られた。当時ヌーヴェルヴァーグ全盛期で、日本でも影響を受けて制作された有名な一本。どんなのかと観てみたが、正直惹かれる所はヌーヴェルヴァーグを意識したモダンな音楽、オシャレで斬新な演出ぐらい。
加賀まりこの若い頃はそれなりにカワイイが、ヒロイン像に全く共感出来なかった。男を悦ばせることが至上の喜び?そんな男に都合の良すぎる女って現実的にありえない。あまりにも人工的に作られた感じ。本来、人間は男女問わず自己中心的なもの。しかし実際には、男を幸せどころか破滅させている。
ラストは唐突で残酷だが、あの結末にした必要性や意味は?そういえば、ヌーヴェルヴァーグもアメリカンニューシネマもそうだが、当時の映画は誰かが死んだり悲惨なラストを迎える映画が多かった。良く言えば人を選ぶ映画というか、わからないヤツにはわからんのだよと作り手が自己完結してるように見える。モヤモヤだけが残った。
加賀まりこの若い頃はそれなりにカワイイが、ヒロイン像に全く共感出来なかった。男を悦ばせることが至上の喜び?そんな男に都合の良すぎる女って現実的にありえない。あまりにも人工的に作られた感じ。本来、人間は男女問わず自己中心的なもの。しかし実際には、男を幸せどころか破滅させている。
ラストは唐突で残酷だが、あの結末にした必要性や意味は?そういえば、ヌーヴェルヴァーグもアメリカンニューシネマもそうだが、当時の映画は誰かが死んだり悲惨なラストを迎える映画が多かった。良く言えば人を選ぶ映画というか、わからないヤツにはわからんのだよと作り手が自己完結してるように見える。モヤモヤだけが残った。
2021年3月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
面白かった!
テンポもいいですし、とにかく可愛らしい加賀さんの表情と仕草に釘付けでした。
ひたすら加賀さんの表情だけをアップで映し続ける演出なども面白かったです。
現実感のない女性と感じられる方もいらっしゃるようですが、私はとても共感できました。
女性が観たら「分かる!」と感じるんじゃないかなぁと思います。(もちろん、全ての女性ではないですが)
ストーリー説明だけ読むと過激な性描写がありそうですが、ほぼ無いです。
ぜひ女性に観てほしい映画です。
テンポもいいですし、とにかく可愛らしい加賀さんの表情と仕草に釘付けでした。
ひたすら加賀さんの表情だけをアップで映し続ける演出なども面白かったです。
現実感のない女性と感じられる方もいらっしゃるようですが、私はとても共感できました。
女性が観たら「分かる!」と感じるんじゃないかなぁと思います。(もちろん、全ての女性ではないですが)
ストーリー説明だけ読むと過激な性描写がありそうですが、ほぼ無いです。
ぜひ女性に観てほしい映画です。
2022年9月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ずっと前から知っていても観るチャンスがなく、思いがけず観られて良かった。
ユカはもっと生意気な小悪魔的な感じかと思い込んでいたけれど、今の加賀さんから想像できる
ちょっと攻撃的な雰囲気は最後のシーンで集約されていた。
それまでのシーンでは、年相応に成長できてるのか、し損ねたのか、賢くて強かなのか、本当に何もわからない子どもっぽい優しさや天真爛漫さなのか、いろいろな意味の危うさのパターンがいくつも発揮されていた。加賀さんでなかったら陳腐になりかねないストーリーなのに、加賀さんの存在が作品として格上げした感じがした。
重みとか、得るものがあったとか、そういうことよりも、ああ、映画を観た!という気持ちになれた。
ユカはもっと生意気な小悪魔的な感じかと思い込んでいたけれど、今の加賀さんから想像できる
ちょっと攻撃的な雰囲気は最後のシーンで集約されていた。
それまでのシーンでは、年相応に成長できてるのか、し損ねたのか、賢くて強かなのか、本当に何もわからない子どもっぽい優しさや天真爛漫さなのか、いろいろな意味の危うさのパターンがいくつも発揮されていた。加賀さんでなかったら陳腐になりかねないストーリーなのに、加賀さんの存在が作品として格上げした感じがした。
重みとか、得るものがあったとか、そういうことよりも、ああ、映画を観た!という気持ちになれた。