忠津陽子さんの作品は今の基準からすると、古い少女漫画と見做されてしまうようですが、それがいいのです。クセのない抜群に上手い絵と、ついつい引き込まれてしまうストーリー展開。まさに水野英子さんの正当なる継承者で、これぞ「少女漫画の王道」を行っていたのが忠津さんです。読んでいてホッとしますね。
個人的には連載作品では「お金ためます!」「美人はいかが?」が忠津さんの最良作品だと思いますが、この「ハロー!王子さま」もなかなかの面白い作品でありました。忠津さんは基本的にはロマコメ作家ではありますが、「花のアイドル伝」「春風の丘」「風のように」「もしも物語」「花まつりの夜」「砂の城」といった、読み切りのシリアス作品にも沢山優れた作品があるので、そういった作品を網羅した全集など発売されたら嬉しいのですが・・・。
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