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1970年代からキャリアを積んできた本格派女性ジャズシンガー、酒井俊。渡米により一時期は活動を停止していたが、1987年の復帰以降はジャンルの枠にとらわれず「感動できるいい歌」を地道に歌い継いできた。そして1995年、心を震わす歌との出会いが訪れる。それが、阪神淡路大震災に寄せて作られたソウル・フラワー・ユ二オンの「満月の夕(ゆうべ)」だ。この曲の持つ「心」を伝えるべくライヴで大切に歌い続け、人々の魂を大きく揺さぶってきた命の歌「満月の夕」が装いも新たにシングルとしてリリースとなったのが本作。歌詞にも登場する「焚火(たきび)」のように温かく力強い歌声は年代を越えても決して色あせない輝きをたたえ、「解き放て いのちで笑え」という生きることへのメッセージがたくましく響く希望の賛歌だ。粉雪が舞うような繊細なピアノと包容力あふれる歌声の調和が美しい<2>では、灰色の雲の下で明るい日差しを信じて生きるひたむきさがしっかりと息づいている。(奥野久美子)
メディア掲載レビューほか
1995年に阪神淡路大震災の“鎮魂歌”として作られた、ソウル・フラワー・ユニオンの「満月の夕」を、ジャズ・ヴォーカリスト、酒井俊がカヴァーした12センチCDシングル。 (C)RS