ウェブプレーヤーを開く
日本の妖怪ヘヴィメタルバンド、陰陽座が2003年にリリースした4thアルバムです。
タイトルは「ほうよくりんどう」と読み、鳳凰と麒麟を合わせて作った造語。妖怪メタルから神獣メタルへ…というのはまあ冗談ですが、メジャー第2弾ということもあり、ここから羽ばたき駆けていくといった意気込みを感じます。
内容としては初期のころから一皮むけたような洗練された曲が並び、正統派疾走メタルから演歌調、歌謡メタルまで幅広い。スローな妖怪チューンもありますが、そちらもドロドロ感より神秘性が前に出ています。聴きやすさ、入りやすさという点では陰陽座歴代の作品の中でも上位に位置するのでは。インディーズ期の作風を懐かしく思う声もありますが、これもまたバンドの進歩なのです。
#1 "焔之鳥" はツインギターのハモリによる重厚なイントロ。
#2 "鳳翼天翔" はアップテンポの正統派メタル。この流れは確実にJudas Priestの "The Hellion～Electric Eye" を意識してそうで、ジューダスファンの瞬火さんらしい先人への敬意を感じます。曲としては黒猫さんのソロ歌唱で、様々な表現を使い分けながらもパワーのある歌声は掴みとしてもばっちりなのでは。
#4 "妖花忍法帖" は恒例の忍法帖シリーズで、軽快なアップテンポ曲。妖しくしっとりと歌い上げる黒猫さんの表現力が神がかってます。メタルというよりは幅広い意味でのロック的な曲で、ギターの刻みや独特のノリを生み出すドラムなどバックの演奏もかっこいい。
#5 "鵺" は10分越えの大作。前半部は怪しげなスローパートですが瞬火さん、黒猫さん両名のディープな歌唱力に浸れます。メインのリフこそドゥームな感じですが歌唱パートは非常にメロディアス。抒情的なソロパートに続く黒猫さんの怪しすぎる笑い声。ここからリフが5拍子になりテンポが上がり緊迫した雰囲気に至る流れ。わらべ歌風のパートなど多彩な展開で、長い曲ですが聴く者を引き付けるパワーがあります。
#8 "面影" はメロウなアップテンポ曲。いかにもな歌謡メタルですが、個人的に本作で一番好きな曲です。やはりサビ部分の昭和歌謡っぽい切ないメロディが良いですね。ソロが明けて2：54からの斗羅さんのドラムも好き。
#9 "星の宿り" は黒猫さんのヴォーカルとピアノによるバラード。ピアノは筋肉少女帯や特撮での活動で知られる三柴理氏です。これ以上は何も足す必要がないぐらいに完成されており、黒猫さんと三柴氏の圧倒的表現力。死者の魂は星となり、やがて来る者たちを導く。宇宙の遠大さと人の世の儚さについての歌詞にも浸れます。
陰陽座歴代の中ではかなりキャッチーな作品ですが、その中にもしっかり妖怪メタルとしての世界観を練りこんでおり、陰陽座初体験の人も一気に取り込むパワーがあります。
よく一緒に購入されている商品
+
+
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
