これは貴重な音源集です。全てマキシとして発売された時点ではCD-Rでの発表で、それら五枚を1枚にまとめたお買い得なアルバムです。
初期の音源とはいえ、その世界観は、ほぼ完成されています。1stアルバムのキュートだけれど、かなり壊れた雰囲気が気に入った方は、こちらもほぼお気に入りの1枚となると思います。(1stと同一曲で別アレンジもあり)
このアルバムで、特に印象に残るのは、M18-23で、ここでは、全てボサ・ノヴァをやっています。しかも、デジタルな音は一切なしで、弦の音まで入るほどに静かに、ギター一本とEeLの歌声のみで構成されていて、その独特のウィスパーボイスとメロディの良さが引き立っています。
またM24-26は、リミックスで、かなりハードなミックスを施された曲が、その前の簡素なボサから、一気にヒートアップしていて、何でもアリが真骨頂のEeLらしさを印象付けられます。
ともかく全編クオリティがとても高く、ただ初期音源集という得難さというだけでなく、音楽的にとても楽しめるコンピレーションです。