2002年にリリースされたイギリス リヴァプール出身バンドのデビューアルバム。
これははっきり言って流行ではない音。
新人バンド(当時も今も)はみんなオシャレだったりどこか流行の要素を取り入れたりするものなのに
一体なんだろうこの若者受けしそうにない音は。。。
メンバーの格好もデビュー当時の OASIS にも通じるイケてない服装(ダボッとしたジーンズ、ジャージ、トレーナーみたいな)。。。
でも最高。
格好付けたり、斜に構えたり、自分の殻に閉じこもったりしていない(ように聴こえる)音がイイ。
トラッドミュージックにブルースをぶち込んで、なおかつポップな曲に仕上げるなんてスゴい。それを渋い声で歌い上げる。
格好良さは感じない、オタクっぽい(ギークっぽい)雰囲気は感じるんだけれども、
自分の意見を曲げない意志がひしひしと伝わってくる、自信に満ちた声。
ただその力強いボーカルだけに任せるんじゃなくて、バックコーラスもあり、ボーカルにメロディアスな要素を持たせてると思う。
I Remember When では、郷愁とおどろおどろしい雰囲気の混じったようなシンセの音で始まり、
「俺はあんなふうに落ちていかない」、「真実は残酷」 と渋い声で歌ってるかと思えば、
曲後半で急にリズムが速くなり、ハイッ、ハイッ、とよく分からない掛け声が入る。
Simon Diamond は、童謡のような雰囲気の曲調だけれど、歌詞は怖い童話のようなことを歌ってたりする。
Skeleton Key の、大昔の船乗りが歌ってそうな(勝手な私の想像だが…)雰囲気の歌だが、
曲後半では転調しラップとドゥーワップが混じったような歌メロとなって急に終わる。
Calenders and Clocks は、曲調が色々展開され、聴いていて飽きない。
Calendars Clocks and Hickory Docks と繰り返されるフレーズが耳に残る。
その他どの曲も歌のフレーズが耳に残りやすく、キャッチーなので聴いていて飽きない。
オシャレ音楽に飽きた人にはぜひとも聴いてほしいですし、
オシャレ音楽を聴いている人にも通用するキャッチーさがあると思うので聴いてほしいです。
流行とは無関係なトラッドミュージックを下敷きにしたポップミュージックを鳴らすなんて、すごいことだと思います。