難解だとか、難しいとか、よく分からないとか、こんなの音楽じゃないとか、いろいろ批判的なことを言われるアルバムだと思うが、まずは、近所迷惑なくらいの大音量で、耳が悪くなるくらいのボリュームで(可能な限り)聴いてみよう。話はそれからだ。
そうすると、ほら、ノイズの奥から、繊細なアンビエンスや、突拍子もない効果音や、聴き慣れた楽器のアンサンブルや、素朴で親しみやすいメロディーや、意外に可愛く可笑しい歌や、嵐の後の静けさが聞こえてくるでしょう。そして、聴き終えた後には、何か今までにないものを聴いてしまったという驚きや発見、不思議にすっきりとした感覚が残るのではないでしょうか。
音楽に、自分の日常生活の領域や常識の範疇を脅かされたくない安心感を求める人には全くもって不向きだと思いますが、何かそういう世界から逸脱した未知の扉を開けたい人には非常におすすめできるアルバムです。