オルラン・ヂーヴォ、1962年の「A Chave do Sucesso」1963年
「Orlann Divo」に続き発表された1964年のサード・アルバム。
長らく絶盤になっており劇レアモノとして高額で取引されていた作品。
この度whatmusic.comによってリミックス/リマスターされ復刻された。
オルラン・ヂーヴォ自身はアイドル歌手のような存在で、およそプロの
歌手といった感じではないが、サンバを基調にボサノバ調の曲等の
ヘタウマな立ち回りはなかなか器用といえる。自然と腰が動く音である。
それよりも何よりもすごいのはバックをガッチリと固める演奏者達。
タンバ・トリオ/タンバ4のルイス・エサ(p)、ドリヴァル・フェレイラ(g)
パウロ・モウラ(a-sax)といった超豪華メンバーがトラックされている。
ルイス・エサはピアノの他にオルガンと編曲を担当し、フェルナンド・マ
ックスヌクのヴィブラフォンと合わせて小気味良いサンバ/ボサノヴァを
演出している。正に現代のクラブシーンにも通じるラウンジミュージック。
この手の歌手の作品では、何かとストリングスをつけたがる印象がある。
が、ストリングスを入れた音は今聴くには古臭さを隠せないことが多い。
そういう意味でもコンボ形態にこだわったルイス・エサの編曲は正解で、
今聴いても十分耐えられる音として現在に至っている。
サンバやボサノヴァを匂わせるも、ちょっと違うよりポップな音。
ブラジルが60年代に残したポップチューンを味わってみませんか?